【GDC 2015】ゲームのスタートアップを資金とビジネス面で支援 カナダのExecution Labsの活動 | GameBusiness.jp

【GDC 2015】ゲームのスタートアップを資金とビジネス面で支援 カナダのExecution Labsの活動

カナダのモントリオールで活動を行うExecution Labsは、スタートアップのゲームデベロッパーに対して支援を行うインキュベーター。民間組織でありながら、地元政府の協力も仰ぎながら精力的に活動を続けています。

その他 その他
カナダのモントリオールで活動を行うExecution Labsは、スタートアップのゲームデベロッパーに対して支援を行うインキュベーター。民間組織でありながら、地元政府の協力も仰ぎながら精力的に活動を続けています。
  • カナダのモントリオールで活動を行うExecution Labsは、スタートアップのゲームデベロッパーに対して支援を行うインキュベーター。民間組織でありながら、地元政府の協力も仰ぎながら精力的に活動を続けています。
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カナダのモントリオールで活動を行うExecution Labsは、スタートアップのゲームデベロッパーに対して支援を行うインキュベーター。民間組織でありながら、地元政府の協力も仰ぎながら精力的に活動を続けています。

そのExecution Labsを率いるJason Della Rocca氏はIGDA(国際ゲーム開発者協会)の代表を約9年間務めた経験のあるゲーム業界の大ベテランです。GDC 2015のカナダラウンジにてお話を伺う事が出来ました。



―――Execution Labsはどのような団体なのでしょうか?

約2年前からカナダのモントリオールを拠点に、スタートアップやインディーのスタジオへの支援を行っています。具体的には活動資金の提供と、ビジネス面での教育です。彼らは素晴らしいゲームは作る事が出来ますが、ビジネス面では不安も大きいケースが多いです。強い会社を作るためにはどのような事が必要か、世界中のパブリッシャーとのネットワーク作りも含めて支援していきます。

―――どのような経緯でExecution Labsは立ち上がったのですか?

私はIGDAの代表を約9年間務めました。その後はコンサルタントとして世界中の、ゲーム産業を活性化させたいと考えている政府に対してアドバイスを行ってきました。その中で私が提唱していたのは「シードファンディング」(初期の資金提供)と「メンターシップ」(経験豊富なメンターによる支援)です。カナダは元々ゲーム産業が盛んな地域ですが、ある時、銀行家たちがやってきて、「お金を出すからJasonが言ってるような事をやってくれ」と言うんです。向こうからお金を貸してあげると言われるのは珍しい事ですよね(笑)。でも、彼らはゲームの事は分からないから、お金をお預かりして私が代わりに支援を行うというわけです。カナダ政府も支援をしてくれていますよ。2012年に立ち上がって、3年目です。

―――なるほど。いまどのくらいのチームが参加しているのでしょうか?

いまは5チームが支援の対象になっています。でも実はこれまでに計9つのチームがプログラムに合格して参加してくれました。つまり幾つかのチームがドロップ(脱落)したわけです。でもスタートアップの世界ですから全部が全部成功するというわけにはいかないんです。逆に支援のフェーズを終えた会社も1社あります。シークレットポンチョの『Switchblade Monkeys』はPS4でリリースされて200万ダウンロード以上を記録した成功例です。

参加チームの一覧

Cardboard Utopia『War of Zodiarcs』
Nine Dots『Outward 』
PouPou Interactive『MorphoGoons』
Sand Sailor Studio『Black the Fall』
Switchblade Monkeys『Secret Ponchos』


―――チームの審査はどのようにして行うのでしょうか

かなり詳細な審査を行います。会社やメンバーのバックグラウンドやビジョン、どのようなプロジェクトを推進しようとしているかなどあらゆる事柄のインタビューを行います。技術面も専門家を含めて話を聞きます。参加するデベロッパーは大抵、既にプロトタイプが出来たくらいの段階で、3ヶ月間、モントリオールに来て、色々な事を学んで貰って、また地元に戻ってゲームを完成させていく、というような流れです。資金面では一般的には5万ドル(約600万円)を出しますが、場合によってもっと大きな場合もあります。

―――先ほど失敗したチームもあると伺いましたが、どのようなチームが成功して失敗するのかJasonさんの考えはありますか?

いい質問ですね(笑)。とても難しい問題で、ありきたりな答えになってしまうかもしれませんが、チームがどこまでコミットしているかが別れ目になると感じます。既に作りたいものが明確で、求めているものが明確なチームは成功し易いと言えるでしょう。彼らは後押しをしてあげるだけですからね。逆に、固まっておらず、Execution Labsに合格してお金を手に入れて、「やったー! じゃあ何をやろうか?」というようなチームは難しいですね。

―――Jasonさんが目指しているのはどのような事なのでしょうか

もちろん、いま参加してくれているスタジオが成功すること、そしてもっと多くのスタジオを支援して、上手く行かせるというのが目標です。中期的には構造的にスタジオを成功させていくようなエコシステムが作れればと思います。そして強いコミュニティ作りによってゲーム業界の発展に貢献出来ればと思っています。

―――ありがとうございました

ゲーム産業の集積が進み、地元政府からの支援も手厚い、カナダ。民間でもこうしたインキュベーターが登場することによって、いま膨大な数が生まれているインディースタジオが上手く立ち上がっていけば、更にカナダのゲーム業界が強いものになることでしょう。エコシステム(生態系)を作っていくという考え方はさすがIGDAの会長を長く務めただけあって彗眼だと感じました。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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