【CEDEC 2014】ゲームの楽しさは計測できるのか? ゲーム開発者と学術研究者が語り合った | GameBusiness.jp

【CEDEC 2014】ゲームの楽しさは計測できるのか? ゲーム開発者と学術研究者が語り合った

ゲーム開発者は日々「楽しさ」を創り出すために努力しています。ゲームの「楽しさ」は「売り上げ」として数値換算され、社内で評価されます。しかしゲームを販売する前に楽しさが客観的な指標で示せれば、多くの無駄が省けるでしょう。より楽しいゲームを作る上でも、重

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ゲーム開発者は日々「楽しさ」を創り出すために努力しています。ゲームの「楽しさ」は「売り上げ」として数値換算され、社内で評価されます。しかしゲームを販売する前に楽しさが客観的な指標で示せれば、多くの無駄が省けるでしょう。より楽しいゲームを作る上でも、重
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ゲーム開発者は日々「楽しさ」を創り出すために努力しています。ゲームの「楽しさ」は「売り上げ」として数値換算され、社内で評価されます。しかしゲームを販売する前に楽しさが客観的な指標で示せれば、多くの無駄が省けるでしょう。より楽しいゲームを作る上でも、重要な指標になることは、言うまでもありません。

それでは、ゲームの楽しさは計測可能なのか。情報処理学会エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会とのコラボセッション「『楽しさ』の設計と評価〜我々はどこで失敗し、どこへ向かうのか」では、この全エンタテインメント関係者が渇望してやまないテーマについて、パネルディスカッションが行われました。

左から片寄晴弘氏、藤井叙人氏、簗瀬洋平氏


■何のために楽しさを計測するのか

モデレータをつとめたのは京都工芸繊維大学の准教授で、情報処理学会EC研究会で主査もつとめる倉本到氏です。パネリストはユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの簗瀬洋平氏、関西学院大学・博士後期課程の藤井叙人氏と、教授の片寄晴弘氏。議論は倉本氏が問題意識を投げかけ、それに対して簗瀬氏がゲーム開発者の視点、藤井氏と片寄氏が研究者の視点から現状を紹介し、議論へと続きました。

ゲーム開発でも研究でも、すべてのプロジェクトは「設計」「実装」「評価」という3つのフェーズで進行します。このうち本セッションに関係するのは「設計」と「評価」です。ゲーム開発のモデル化を進め、完成したタイトルの客観的・数値的な評価を通して洗練させていけば、ゲームの質的向上に貢献できる・・・。これだけ聞けば、「なるほど!」と頷いてしまいたくもなります。

しかし、必ず「そんなことが可能なのか?」という疑問が出るのは明らかでしょう。人の好みは十人十色で、万人に共通する設計モデルや評価軸など、なさそうに思えるからです。では本当に不可能なのでしょうか? 全体が無理だとしても、部分的なモデル化はできないのでしょうか? 何をどのように計測すれば客観的なデータが取得できるのでしょうか? 開発現場と学術の双方で事例が共有されました。

エンターテイメントをモデル化することはできるか?


■ストレスの閾値計測にユーザーテストを活用

はじめに簗瀬氏は元ゲーム開発者の立ち場から「エンターテインメントの定量評価で出来る事と出来ない事」と題して講演しました。簗瀬氏はゲームのおもしろさは「(1)聞いて面白い」「(2)見て面白い」「(3)触って面白い」「(4)続けて面白い」という4段階に分類でき、このうち4番についてはゲームのオンライン化に伴い、「継続率」として可視されるようになってきたと説明しました。

また「触覚的なおもしろさ」の中でも、ロード時間やボタンの反応、移動速度といった「ユーザーにストレスを与える要因」については、これらを改善するだけでゲームのおもしろさ向上につながりやすく、計測も容易なので実施する価値があると指摘。ただし、その場合でもテスターのコンテクスト(過去のゲーム体験など)に左右されがちなため、一般ユーザーを対象とした、予備知識を廃したユーザーテストが望ましいと言います。

もっとも、こうした評価も実際には質問紙への記述やインタビューなどで行われることが多く、定量評価といってもアナログ的な手法で行われるのが一般的です。そのためコンテクストの影響を受けざるを得ず、正確さには限界があります。ネット上では大規模(1万人規模)のアンケートを行うサービスなども存在しますが、それすらも競合作品の発売などによって結果が大きく左右されることがあるのです。

どうしてもアナログ的な手法に依ってしまう
コンテクストに依存してしまう


ただし、こうしたユーザーテストがまったく無駄かと言えば、そんなことはありません。グラフィックが仮素材の段階でユーザーテストを行い、次にグラフィックを組み込んで実施すれば、グラフィックの友好度が差分として得られるでしょう。また一般的に人間は3つ以上のパラメータを同時に調整することが困難なうえ、環境や思い込みによって結果が左右されることもあります。何か1つのパラメータを修正した結果、他に悪影響を与えることもあるのです。そのため客観的なデータを取ることはどの段階でも重要です。

ポイントはロード時間をはじめ、調整可能な項目を手早くクリアして、調整困難な項目にじっくり時間をかけること。開発現場ではユーザーテストにかける時間と予算があれば、そのぶん実制作に回せといわれがちですが、「少なくともクライアントへの説得材料には有効です」(簗瀬氏)。そのためにも何が計測可能で、どのような方法があるか、普段から知見を蓄積することが重要だとされました。

■マリオ・将棋ソフト・音ゲーを用いた研究

続いて藤井氏はゲームAIの分野から「ゲームにおける『人間らしさ』はどう設計され、どう評価されるか」という講演を行いました。藤井氏は人間らしいゲームAIの設計方法として、大きく「人間の生物学的制約や人為的ミス・エラーを導入する」「人間のプレイログをもとに機械学習をさせる」という二つの方法を提示しました。

このうち前者ではコンピュータにマリオを操作させてステージのクリア時間を競う「マリオAIチャンピオンシップ」で、敵の位置を見間違える「ゆらぎ」や、見てから操作する前に遅れが出る「遅れ」など、一定の確率でミスをするパラメータを組み込みました。後者では将棋ソフトで中級者のプレイログを大量に読み込ませ、乱数で弱くしたAIよりも人間らしく失敗するように、アルゴリズムを工夫しました。

人間の生物学的な制約を導入する


ただし、これらの動きや棋譜が本当に人間らしいか否かは、評価者のコンテクストによって異なるといいます。将棋ソフトの例でいえば、アマチュアは人間らしい棋譜だと感じる一方で、プロ棋士はAIらしいと感じる棋譜があるとのこと。棋力が高いほど「人間らしくない悪手」に気づいてしまうのです。これは「人間とは何か」という形而上学的な命題につながるのかもしれません。

評価者のコンテクストによるところがある


また片寄氏は「ポジショニング 音楽・脳機能計測の立ち場から」と題した講演で、自主開発されたリズムゲームとfNIRS(脳機能計測)を用いた研究事例について紹介しました。fNIRSは脳組織内の血流変化の計測を通して、脳の各部位における活動変化を計測する装置で、近年の脳科学研究で広く使われています。

この研究においても、音楽家と一般人、そしてゲーマーとでは、結果に大きな違いが出たそうです。「ゲームの中級者という括りは意味がなく、後から試験者の属性を確認できるようにしておくことが必要」(片寄氏)だといいます。

また、ユニークなところでは、三三七拍子のリズムは高齢者ほど血流上昇が認められたとか。しかし、これをして「三三七拍子は他のリズムよりも優れている」と言えないことは明らかでしょう。片寄氏は「心理評価は鵜呑みにできず、誤謬をかかえる余地を考慮した運用が必要」「評価が可能な範囲を見定めることが大切」だとまとめました。

心理評価は鵜呑みにはできない


■コンテクストの重要さ

このように三者から異口同音に語られたのが、試験者のコンテクストを考慮した計測や、計測結果の解析の重要性です。ディスカッションでは、片寄氏からアメリカのジェットコースターは日本のものより、平均して1.6倍程度長いという話も飛び出しました。つまり乗って心地よいジェットコースターの長さについてヒアリングしても、日本人とアメリカ人では結果が異なることが予測されるというわけです。これもまたコンテクストの違いがもたらす影響だと言えるでしょう。

残念ながら時間の関係でディスカッションが不完全燃焼のまま終了したきらいがありましたが、ゲームと学術の各々の分野で最先端の事例が紹介されつつ、共有の課題が抽出された、ユニークなセッションとなりました。また場所をかえて、さらなる深掘りの議論を期待したいところです。
《小野憲史》

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