【GTMF 2014】ぶっちゃけ発言が満載! R-FORCE横山氏を迎えて送る「Cocos2d-x」+「OPTPiX SpriteStudio 5」事例紹介 | GameBusiness.jp

【GTMF 2014】ぶっちゃけ発言が満載! R-FORCE横山氏を迎えて送る「Cocos2d-x」+「OPTPiX SpriteStudio 5」事例紹介

他社クリエイターをゲストに迎え、採用事例とあわせて行われることの多いウェブテクノロジの技術講演。GTMF 2014でもR-FORCE ENTERTAINMENT代表取締役社長の横山裕一氏を迎えて、「『Cocos2d-x』+『OPTPiX SpriteStudio 5』事例紹介」と題した講演が行われました。GTMF

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他社クリエイターをゲストに迎え、採用事例とあわせて行われることの多いウェブテクノロジの技術講演。GTMF 2014でもR-FORCE ENTERTAINMENT代表取締役社長の横山裕一氏を迎えて、「『Cocos2d-x』+『OPTPiX SpriteStudio 5』事例紹介」と題した講演が行われました。GTMF
  • 他社クリエイターをゲストに迎え、採用事例とあわせて行われることの多いウェブテクノロジの技術講演。GTMF 2014でもR-FORCE ENTERTAINMENT代表取締役社長の横山裕一氏を迎えて、「『Cocos2d-x』+『OPTPiX SpriteStudio 5』事例紹介」と題した講演が行われました。GTMF
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他社クリエイターをゲストに迎え、採用事例とあわせて行われることの多いウェブテクノロジの技術講演。GTMF 2014でもR-FORCE ENTERTAINMENT代表取締役社長の横山裕一氏を迎えて、「『Cocos2d-x』+『OPTPiX SpriteStudio 5』事例紹介」と題した講演が行われました。GTMF 2012に続き2年ぶり2回目のゲスト登壇となる横山氏。2年間使い続けてわかったSpriteStudioの感想や、同社ならではのSpriteStudio活用事例も紹介するなど、盛りだくさんな内容となりました。


左: ウェブテクノロジ 浅井氏 / 右: R-FORCE ENTERTAINMENT 横山氏


R-FORCEは1999年に設立され、今年15周年を迎える老舗ディベロッパーです。モバイルゲーム開発に特化しており、これまでの開発実績は334タイトル(2014年7月18日現在)。初音ミクをフィーチャーしたスマホ音楽ゲーム「ミクフリック」(セガ)の他、無料アプリランキングで1位を獲得した2タイトルを含みます。全56名のメンバーのうち52名が研究開発に従事するなど、開発力には定評があります。約2年前からCocos2d-x上でアプリ開発を開始する一方で、UnityやProject Anarchyなど、ゲームエンジンのリサーチも幅広く進めています。

SpriteStudioについても2012年にリリースされたiOSアプリ『HELLO KITTY COIN』(サンリオ)を皮切りに、さまざまなタイトルで活用してきました。当時の開発事例については、GTMF 2012で行われた「SpriteStudio と "Unity" と "CoronaSDK" と "ngCore" ! 〜組み合わせて改善する2Dワークフローと、次期 SpriteStudio」という講演内で共有されており、Ustreamでも視聴できます。

もっとも、浅井氏は「講演内ではSpriteStudioの良い点だけでなく、改善点についても共有してもらった」と解説。SpriteStudioがVer.4から5にメジャーアップデートを果たす過程で、数多くの改修が行われました。そこで本講演では2年が経過し、ある程度SpriteStudioを使い込んでもらったところで、あらためて使い勝手について感想を共有してもらいたい…。そのようにセッションの趣旨が紹介されました。

■2年使ってみてわかったSpriteStudioのあれこれ


軽快なトークで知られる横山氏


さて、浅井氏からマイクを受け継いだ横山氏は、中小ディベロッパーがSpriteStudioを使用するメリットについて、▽クオリティの高いスプライトアニメを手軽に作れる▽環境可搬性が高い▽データが分かりやすい▽開発速度の向上−−という4点を挙げました。それぞれ「パーツの親子関係を作って動きをコントールできる」「作成したアニメーションデータをXMLファイルかバイナリファイルで出力できる」「UnityとCocos2d-x向けの再生プレイヤーがオープンソースで提供されている」など、SpriteStudioのアピールポイントがそのまま評価された形となっています。

SS5Player for Unity(GitHub)
SS5Player for Cocos2d-x(GitHub)

このほか横山氏は、作成したアニメーションデータを、連番画像ファイルで出力できるメリットについて補足しました。横山氏によると、これまではツール上では良くても、アプリに組み込んで実機(フィーチャーフォン&スマートフォン)上で再生した際に、見え方の違いなどでリテイクが発生していたといいます。しかしSpriteStudioで連番画像ファイルとプレビュー用のHTMLファイルを出力し、これをウェブサーバにアップロードして端末からアクセスすれば、実機上で手軽にプレビューできるのです。これによりクライアント向けのチェック作業が非常に楽になったと評価されました。

また2年前の講演で横山氏は「(1)データが冗長」「(2)補間アニメの動作が重い」「(3)コストがかかる(有償)」「(4)UIが格好悪い」という改善点を上げました。しかし(1)については「データが冗長なのは後から解析しやすいということの裏返しで、他のアニメーションツールの方がデータが冗長だった。ボタンのクリックアニメなど、細かい動きをSpriteStudioで作る必要はない。要は使い分けの問題」だと自己分析。(2)についても「端末の性能向上に伴い解消されてきた。また補間データを行列出力して活用することで、CPUの負荷を減らすことができた」と指摘しました。(3)についても新たに登場したサブスクリプション版の存在を高く評価。(4)についてもVer.5で大きく改善されたとコメントしました。

■R-FORCE流のSpriteStudio活用術

続いて横山氏は、講演テーマでもある「Cocos2d-xとSpriteStudioの組み合わせ」をふまえて、Cocos2d-xで使用されることの多いUIツール「CocosBuilder」とSpriteStudioの比較を行いました。CocosBuilderはcocos2dのレイアウトやアニメーションをGUIで調整できるツールですが、開発は2013年6月で止まっており、現在は後継ツールのSpriteBuilderへの移行が進んでいます。もっともCocosBuilderはGitHubでオープンソース(MITライセンス)として公開されているため、多くの愛用者がいる人気ツールではあります。

これについて「UI制作はCocosBuilderに一日の長があるが、アニメーション制作はSpriteStudioに軍配が上がる。中でもパーツの自由変形ができるため、少ない素材で高品質なアニメーションが作れる点が大きい」と評価しました。またCocosBuilderは無料だが、開発が終了しているにもかかわらず、バグがみられるなど「商業開発においてはSpriteStudioを使用する方がベターなのではないか」と補足。サブスクリプション版を活用すればコストも抑えられる上、頻繁な改善や機能追加もあって、中小ディベロッパーこそ使用する価値が高いと指摘しました。

最後に横山氏は同社流のSpriteStudio活用術を紹介しました。作例として上げられたのが、オリジナルRPGの1シーンです。女の子のプレイヤーキャラクターが敵メカに対して攻撃するという設定で、待機モーションから銃を撃ったり、近接戦闘で攻撃したりした後、最後に敵メカが爆発するという一連の流れで構成されています。制作物は「女の子」「敵メカ」「エフェクト」「背景モーション」で、キャラクターデザイナーとアーティストが各1名ずつで制作。業務終了後の時間を活用して、素材制作に7日(12時間)、モーション制作に5日間(25時間)が費やされました。



実際の制作では、はじめにキャラクターデザイナーが各キャラクターをデザインします。この時に基本アクションに沿って、主だったアクションポーズ(銃を構える、走る、ジャンプするなど)のデザイン画をスケッチしておくのがポイントだといいます。次にPhotoshopでキャラクターをデザインして、パーツごとに切り出し、SpriteStudioに組み込んで、実際のアニメーションをつけていきます。横山氏はアーティストの談として「はじめに動きの鍵となるキーフレームでのポーズを設定し、中間の動きを頭の中でイメージしながら、タイムライン上で動きをつけていきます」というコメントを紹介しました。

前述の通りSpriteStudioではキーフレーム間の動きをプログラムで自動補間したり、カーブエディタで細かく調整できます。センスやテクニックが必要となる作業ですが、横山氏によると「中割データの作成よりも、動きのポイントとなるキーフレームでのポーズの方が重要」とのこと。いわばキーフレームでのポーズと補間データが、リミテッドアニメにおける原画と動画の関係に当たるというわけです。なお今回のデータはサンプルとして近日公開予定とのことなので、ぜひダウンロードして参考にして欲しいと話されました。

■Ver.5.3の機能対応に加えて、早くもVer.5.4の情報を公開

後半では浅井氏にマイクが戻され、Cocos2d-xとSpriteStudioの採用事例が紹介されました。「2Dゲームの作成に向く」「C++で作成できるので、コンシューマゲーム会社の人的リソースが活用しやすい」「エンジンがオープンソースで公開されているため、技術力があればゴリゴリと作り込める」などの特徴があるCocos2d-x。ウェブテクノロジでも約2年前からSpriteStudioの対応をはじめています。キャラクターアニメーションやエフェクト、UI全般などで使用される例が一般的です。

その結果『おさわり探偵NEOなめこ栽培キット』(ビーワークス)、『ドン★パッチン』(ケイブ)、『拡散性ミリオンアーサー』(スクウェア・エニックス)など、Cocos2d-xとSpriteStudioの組み合わせ事例が増加してきました。中でも『なめこ』では一作目と二作目でゲームエンジンがUnityからCocos2d-xに移行しましたが、グラフィックデータはSpriteStudioで作成していたため、アニメーションのアセットが共用できたといいます。また『ドン★パッチン』では出力フォーマットでバイナリデータとXMLのいずれかが選択でき、可搬性が高かった点が採用の決め手となりました。

今後のバージョンアップについても補足されました。2014年5月にVer.5.3がリリースされ、新たに「インスタンス機能」が追加されたSpriteStudio。元となるソースアニメーションから複数のデータをアニメーションインスタンスとして配置し、編集することができるという機能です。似たようなアニメーションを利用したシーンの制作で効率化がはかれ、ファイルサイズも縮小できます。

これに伴い、まず開発キットのSS5 SDKでインスタンス機能に対応したVer.5.3対応版がGitHubで公開されました。C++で記述されており、自社フレームワークなどにあわせて自由に改変が可能です。

SpriteStudio 5 SDK(GitHub)

またCocos2d-xとUnity向けの再生プレイヤーである、SpriteStudio5 Player for Cocos2d-xと、SpriteStudio5 Player for Unityもオープンソースで公開中です。こちらについてもVer.5.3対応版の公開が今夏に予定されています。特にCocos2d-xではオープンソースの強みを活かして、ユーザーごとに手を加えられる例が多いため、Ver.5.3対応版も自由に改造して使って欲しいとコメントされました。あわせてUnreal Engine版の開発も進んでおり、SpriteStudio5 Player for UnrealEngine4として今冬に公開予定です。

最後にSpriteStudio Ver.5.4の情報も公開され、新たに動画出力と2Dパーティクルに対応することが明らかになりました。作成したアニメーションデータをAVIファイルなどで出力し、ニコニコ動画やYouTubeに投稿できるようになります。2Dパーティクル機能では「キャラクターが剣を振るうと剣から炎のエフェクトが発生する」などの表現も同一エディタ上で作成可能に。浅井氏は「今夏にβ版をリリースし、秋には正式版をリリースしたい」と抱負を語りました。

《小野憲史》

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