【GDC 2014】『グランド・セフト・オートV』オーディオプログラマーが語る音響デザインの裏側 | GameBusiness.jp

【GDC 2014】『グランド・セフト・オートV』オーディオプログラマーが語る音響デザインの裏側

2014年3月21日、 『グランド・セフト・オートV』のオーディオプログラマー、Alastair MacGregorは「The Sound of Grand Theft Auto V」と題したGDC 2014のセッションで同作 の音声について語りました。

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2014年3月21日、 『グランド・セフト・オートV』のオーディオプログラマー、Alastair MacGregorは「The Sound of Grand Theft Auto V」と題したGDC 2014のセッションで同作 の音声について語りました。
  • 2014年3月21日、 『グランド・セフト・オートV』のオーディオプログラマー、Alastair MacGregorは「The Sound of Grand Theft Auto V」と題したGDC 2014のセッションで同作 の音声について語りました。
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2014年3月21日、 『グランド・セフト・オートV』のオーディオプログラマー、Alastair MacGregorは「The Sound of Grand Theft Auto V」と題したGDC 2014のセッションで同作 の音声について語りました。

スコットランドのエディンバラにあるスタジオRockstar Northで作られた『グランド・セフト・オートV』(略称: GTA5)は同社 が作ったゲームの中では最も規模の大きなゲームでした。幸い、ゲームの音声を担当していたサウンドチームは便利なツールを持っていました。それはRAGEオーディオエンジンでした。

■RAGEオーディオ

RAGEオーディオは2005年に作られ、『GTA4』、『GTA: リバティーシティ・ストーリーズ』、『Midnight Club Los Angeles』、『レッド・デッド・リデンプション』、『マックス・ペイン 3』などのプロジェクトに使われました。エンジン製作における主な目的は高性能、クロスプラットフォームにおける機能性、そしてプロジェクトの大きさに考慮した拡大縮小する能力でした。開発者は、サウンドデザイナーがリソースに頭を悩ませることがないよう、メモリ効率の良いツールを 求めました。

■『GTA4』と『GTA5』の比較

『GTA4』と『GTA5』は同じハードで発売されましたが、『GTA5』の規模の大きさは数倍になりました。


■音響レベルのデザイン

まず、レベルデザイン担当のオーディオアシスタントはシーンを分け、どこで音声を入れるかという事を決定します。それから、ゲームのストーリー を語る手助けをする音を入れるところを探します。

例えば、ゲーム序盤でプレイヤーは車で窓を破壊して突入することを強要されます。そのシーンに感情の高まりを付けるために、オーディオチームは車のエンジンの音をより攻撃的で激しい音差し替えることを決めました。

■ラジオとBGMの移行

『GTA』シリーズは、BGMの大部分がプレイヤーに決められるラジオ局の曲で構成されています。従って、開発者はプレイヤーに違和感を与えないように感動的なシーンで流れるBGMからラジオの曲へ移行する仕掛けを思いつかなければなりませんでした。

ゲームの序盤を例として、プレイヤーはラジオを聞きながらミッションの目的地へ運転します。カメラの視点はエスタブリッシング・ショットへ転換し、プレイヤー はビルの後ろへ移動する間、一旦車を操作出来なくなります。シリーズの前編で、開発者はラジオをオンにするかオフにするかという事をあらかじめ決定しなければなりませんでした。しかし、今回はカメラがデモシーンの視点へと転換しながら、ラジオの音がフェードアウトするように出来ました。

同様に、ミッションが終わる時に途切れることなくオープンワールドゲームプレイに戻ると、感動的なBGMもラジオの曲へと移行しなければなりません。開発者は移行を隠すために様々な仕掛けを生かしました。例えば、車で会話が始まる事や携帯の通話を待ち、プレイヤーが気づかないようにBGMからラジオの曲へ移行します。

移行を隠すセリフがなかったら、オーディオデザイナーはラジオのディスクジョッキーに話させ、それからラジオの曲へ移行します。

■車の交響曲

『GTA5』の車の音は数々のレイヤーで構成されています:近距離(冷めるエンジンの金属音、プレイヤーがヘッドライトを砕いてから車で走り去るカリカリ音など)、中距離、そして遠距離です。

エンジンの排気音や変速音は合成されたものです が、音響技術者たちはエンジンの音を録音するために吸引カップを使い、オーダーメイドのマイクを車に取り付けるようにしました。また、これらの音は車が移動する時に聞こえる独特の鋭い音を再現するために変調するようになっているので、プレイヤー は車が実際に道路を走るときの音を聞くことができます。

詳細部分まで車の効果音を操ることで、オーディオチームは車の質量やエンジンのシリンダー数、位置などの情報を基に、車の音を調整出来ました。

■街の音響

開発チームの目的は没入的で信じられる世界を作ることでした。この目標を果たすためサウンドがゲームの世界で自然に機能するように、開発者は一貫した規則を決定しました。

その結果として、音声はプレイヤーの位置によって変わり、プレイヤーからの距離の次第でますます拡散します。高速道路の下に立った際に上を走る車の重量という感覚をプレイヤーに与えるように、ゴロゴロという走行音が上がります。

プレイヤーの行動もサウンドの環境に効果を与えます。拳銃を発射すると鳥が鳴き、虫が静かになり、犬が吠え始めるようになります。銃声は高いビルに反響し、運送用コンテナへの発砲は響き渡る共鳴音を生み出します。

『GTA5』のマップは数十のエリアに分けられるので、サウンドデザイナーはプレイヤーがエリアの境界を通過する際に音声の変化に気付かないよう 注力しました。これによりプレイヤーが世界を動き回る際、自然にサウンドが変化するようにしました。

さらに、ゲーム内で運転出来ない車の音など、開発者はプレイヤーが自分自身で体験出来ない事の音を聞かせたくありませんでした。『GTA4』でも同様でした。例えば、『GTA4』に犬がいないので、環境音に犬の鳴き声は存在しません。

この現実感覚と細部への注意のおかげで『Grand Theft Auto』シリーズが世界中で人気を博したと言っても過言ではありません。
《Aria Tanner》

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