ネイティブアプリのプロモーションに貢献できる媒体を 成長するAppBroadCastの「ゲームギフト」について聞く | GameBusiness.jp

ネイティブアプリのプロモーションに貢献できる媒体を 成長するAppBroadCastの「ゲームギフト」について聞く

ガラケーのブラウザゲームからスマートフォンのネイティブアプリへと、急速に移行が進むスマホゲーム業界。そこで改めて課題となっているのがプロモーションで、SNSプラットフォームに変わる販促・宣伝手段が求められています。こうした中でAndroid向けネイティブアプリ

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ガラケーのブラウザゲームからスマートフォンのネイティブアプリへと、急速に移行が進むスマホゲーム業界。そこで改めて課題となっているのがプロモーションで、SNSプラットフォームに変わる販促・宣伝手段が求められています。こうした中でAndroid向けネイティブアプリ
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ガラケーのブラウザゲームからスマートフォンのネイティブアプリへと、急速に移行が進むスマホゲーム業界。そこで改めて課題となっているのがプロモーションで、SNSプラットフォームに変わる販促・宣伝手段が求められています。こうした中でAndroid向けネイティブアプリに特化したメディアとして、急速に人気を集めてきたのがゲームギフト。同媒体を運営する株式会社AppBroadCastに、現状と今後の見通しについて伺いました。

―――今日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

小原: 代表取締役の小原聖誉です。2001年、ガラケーゲーム黎明期からのモバイルゲーム情報サイト運営を振り出しに、コンサルティング会社を経て起業にいたり、昨年ゲームギフトの運営を開始しました。

佐伯: 取締役の佐伯英恵です。もともと大手ゲームメーカーでスマートフォン向けに宣伝・プロモーションを担当しており、退職後に弊社設立に参加しました。

米山: ゲームギフト事業部アライアンス部の米山真平です。営業担当でゲームメーカー様を回りながら、弊社でギフトと呼んでいる無料アイテムの配信契約などを結ばせていただいています。

―――もともとモバイルゲーム向けメディアの「中の人」と、ゲームメーカーの宣伝の方が一つの会社にいらっしゃるわけですね。

小原: はい、確かに、そういった言い方はできるでしょうね。

佐伯: まさに自分が宣伝の仕事をしていたころに欲しかったサービスを手がけています。

―――まずは起業されてから、これまでの経過を振り返ってもらえますでしょうか? 

小原: はじめはコンサルティングの仕事が中心でした。もともとネイティブアプリでは、モバゲー、グリーといったプラットフォームホルダーのソーシャルグラフが活用しづらく、ストアのロジックも頻繁に変更されます。そのため宣伝に関して過去のノウハウがききにくいのです。幸い弊社はそうしたノウハウを持っていましたので、代理店の選定から含めて、ネイティブに新規参入なされるゲームメーカーのマーケティング体制を作るなどのコンサルティングから入った方が良いと判断しました。起業して9ヶ月くらいはコンサルが事業の柱でしたね。

―――なるほど。

小原: もっともコンサルがゴールではなくて、ゲームメーカーとゲームユーザーの間をつなぐソリューションを作ることに関心がありました。ネイティブアプリ市場が広がっても、集客先が乏しかったからです。ただし通常のニュースサイトでは差別化が難しいことは分かっていましたし、ネイティブアプリを楽しんで使っているユーザーにダイレクトに喜んで頂けるメディア像を模索しました。その結果、ゲームメーカー様と正式に契約して、我々がギフトと呼んでいるさまざまな無料アイテムを提供いただき、ユーザーに配布することにしました。そのためにはアイテムを配布したり、ユーザーに一斉に告知したりする仕組みが必要で、そのために媒体自体をアプリ化することにしました。良いタイミングでKDDI様と提携でき、auのAndroid端末にプリインストールいただけたことも追い風となりました。

―――媒体自体がアプリというのはおもしろい試みですね。

小原: ありがとうございます。コロプラさんから『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』が配信され、ギフトを扱うことができて、成長曲線に乗りました。他にも『ブレイブフロンティア』(エイリム)、『ドラゴンコレクション』(コナミデジタルエンタテインメント)など、新興タイトルから老舗タイトルまで、幅広くギフトを扱わせていただいています。それと並行してゲームのおもしろさを的確に伝えるレビュー記事を配信しています。このギフトとレビュー記事の二本柱が特徴です。最近では独自の事前予約サービスの提供も開始しました。

―――反応はどうですか?

米山: おかげさまで60万ダウンロードを達成しました。読者様にとってもギフトが無料でもらえる点が大きいようで、Google Playの売上トップ50位内のタイトルで、ギフトを配信しているゲームの数がどんどん増えています。一方でゲームメーカー様からも、アプリを通してギフトを提供できる媒体が他にないこともあって、ご好評をいただいています。またギフトユーザーは継続率・課金率が高いというデータも出ています。ここがもっとも喜ばれているところです。

―――人気タイトルのギフトは皆さん欲しがると思うのですが、新興タイトルのギフトはそうでもないのでは?

小原: それはその通りです。だからこそライターがいかに新興タイトルの魅力をしっかり伝えていけるかが重要です。いまゲームメーカーは、それまでのリワード広告などを大量に出稿するという方向から、改めておもしろいゲームをしっかり作り、ファンを作るという方向に原点回帰しているように思います。大手のゲームメーカーも続々と進出してきていますからね。だいたい1タイトルにつき4回くらい攻略記事を掲載しています。社内ライターに加え、社外のライターさんにもご協力いただいています。実際かなり編集コストがかさんでいるんですよ。ただ、先行投資と思って進めていますから、先日ファイナンスも行わせて頂きました。

―――いま扱っているタイトルは何本くらいですか? また読者はどういった層が中心でしょうか?

小原: だいたい100タイトルくらいで、読者層としてはハードゲーマーとライトゲーマーの中間層といったところですね。先日ギフト付きで紹介させて頂いたタイトルでは、リリース直後の100万円以上の全体売上のうち、30%超がゲームギフト経由で上がっていることから、課金ユーザーの率も高めだと思います。

―――人気タイトルだけしか遊ばない、といった危惧もあるかと思うのですが・・・

小原: そこが我々がアプリで記事を提供している理由です。情報をプッシュ通知で流すことで、人気タイトルの情報がきっかけでゲームギフトを知って頂いたユーザーでも新規タイトルを知って頂くきっかけを作ったり、シリアルコードをユニークユーザーごとに提供することで、ゲームをはじめるきっかけを後押しすることができるのです。例えば先ほどのタイトルはゲームメーカー様のオリジナルタイトルであり、はじめて知ったユーザーがほとんどだと思われます。

―――どういったギフトが人気ですか?

米山: それはゲームや、ユーザーさんの利用フェーズで違いますね。リリース直後で新規ユーザーを多く集めたい場合は、スタートパックのようなアイテムの詰め合わせが有効です。一方で人気タイトルで継続率を高めたい場合はレアカードや限定カードなどが効果的です。

―――コンサル、メディアときて、次はどのようなアイディアを温められていますか?

小原: 良質なゲームユーザーを多く抱えている強みをいかして、βテストのようなことをやりたいなあと思っています。事前予約の次は、開発段階からお客様を集めることが重要になっていくと思います。そこでゲームユーザーの反応を見ながら、売れる・売れないといった仮説データをゲームメーカー様に届けていきたいなあと。開発コスト1億円超のタイトルが増えているわりには、一発勝負という状況になっており、それを打開できると考えています。大前提として自分たちは、必ずしもゲームメディアをやりたいわけではありません。ここが出版社と違うところです。それよりもゲームメーカーとゲームユーザーの間をつなぎ、お互いが重複する領域で他にはできないサービスを展開していきたいのです。

―――媒体とコンサルの双方を手がけている強みを、さらに押し出していくわけですね。

小原: そうですね。実際、ちょっと前までは「無料にすれば遊んでもらえる」という風潮がありましたが、今では無料アプリで良質なゲームが増えているため、それだけでは不十分です。無料アプリであっても、リリース時点でいかに良質なユーザーを獲得するかが重要になっています。そのために事前予約含め、リリース前の重要性がクローズアップされています。そこにゲームギフトが貢献できていると思いますし、そうした提案をしていければと思います。

佐伯: 一方でゲーム開発現場からすれば、少し前までは「無料なんだから遊んでもらえるでしょ」という想いが根強かったと思うのです。しかし、だんだんと家庭用ゲームのように初速が重要になってきています。実際に初速の伸びが全体の売上につながることが証明されてきつつあるのです。そうしたトレンドを理解することが大切ではないでしょうか。

―――ユーザーの期待値がどんどん前倒しになってきているということは、市場が寡占化していくという意味でもあります。新興タイトルはどのように戦っていけば良いでしょうか?

小原: 企業規模によって大きく3つに分かれると思っています。まず大手企業はマス広告と海外展開、中堅企業はジャンルごとに1番を狙うことが求められるでしょう。一方で新興企業はニッチ市場を狙ったゲリラ戦です。一定の固定客がいて、まだ隙間になっているジャンルを探して、そこに良質なゲームを届けて、ゲームメディアの関心を引くことです。記者の皆さんの関心を集められれば、自然と記事露出も増えていきます。それをキチンとやることが大事ではないでしょうか?

―――何かサクセスケースはありますか?

小原: 先日リリースされた『ドラゴンファング〜勇者ドランと時の迷宮〜』(トイディア)は好例かもしれません。ローグ系のダンジョンRPGで、事前予約だけで20,000人以上のユーザーを集めているようです。ダンジョンRPGは一定規模のユーザーがいますが、実はスマホではあまりゲームが出ていなかったんです。開発元もそれを理解していて、リリース前から継続的に大手媒体にリーチされていたようです。そのためネームバリューがなくても、リリース前から記事出稿がある程度あって、その記事を見たユーザーが事前予約をしてくれたようです。ネイティブアプリ市場は拡大傾向にあるため、新興タイトルでも戦い方によっては、まだまだ十分チャンスがあると思っています。

―――今後の抱負についてお願いします。

小原: 先ほども申しましたが、βサービスなどの展開と組み合わせて、アプリのトレンド変化をいち早く見極められる会社になりたいですね。ゲームユーザーの基盤を活かした新しいコンサルティング領域を開拓していくといった方が、わかりやすいかもしれません。それが結果的に媒体にも繋がっていきます。

佐伯: 『パズドラ』の大ヒット以降、ネイティブアプリでTVCMを打つタイトルが増えてきました。それによって、どんどん家庭用ゲームと同じように、事前施策が重要になってきました。スマホアプリが「ゲーム」になっていく過渡期だといえるかもしれません。その変化に弊社もきちんと対応していきたいですね。

―――2014年のネイティブアプリ市場の見通しを教えてください。

小原: まだまだ成長すると思います。早晩3000億円程度の市場になるでしょうし、そうなると家庭用ゲーム機のソフト市場を逆転します。家庭用とスマホアプリの同時IP展開も増えていくでしょう。スマホアプリは個人でもリリースできますからそこで求められるのがユーザーの囲い込みです。ユーザーが求める価値と、自分たちが提供できる価値をきちんと重ねられれば、成功する可能性は大いにあると思いますよ。実際、私たちは大手から中小まで幅広い企業様とおつきあいをしていますが、中小の企業様の方が元気が良いという印象です。ますます業界を盛り上げていきたいですね。

―――ありがとうございました。


AppBroadCastのみなさん
《小野憲史》

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