【China Joy 2013】次世代機に向けて覚悟完了!? バーチャスに聞く中国からみた日本のゲーム業界 | GameBusiness.jp

【China Joy 2013】次世代機に向けて覚悟完了!? バーチャスに聞く中国からみた日本のゲーム業界

中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世

その他 その他
中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世
  • 中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世
  • 中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世
  • 中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世
  • 中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世
  • 中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世
  • 中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世
中国・上海を中心に世界中のゲーム企業からオフショア開発を受注し、「究極のゲーム開発助っ人集団」を標榜する バーチャス。『The Last of Us』などのAAAゲームに加えて、近年ではハリウッドの大作映画でCG制作を受注するなど、活動領域も広がっています。もちろん次世代ゲーム機の発売を前に日本企業からの受注も増加中で、これまでに見られなかった光景とのこと。同社で日本側クライアントの窓口を担当している橋口浩之氏、中川亮氏と、日本で営業窓口を担当しているカイオス株式会社の記野直子氏に話を伺いました。

■日本のゲーム会社がAAAに本腰を入れ始めた

―――今日はよろしくお願いします。はじめに簡単に自己紹介をお願いします。

橋口: バーチャスで日本クライアント向けの窓口担当をしている橋口です。もともと人材系の企業にいまして、上海に赴任したこともあって、3年前に弊社に転職しました。

中川: 同じく昨年11月から バーチャスで働いている中川です。もともと日本でCGデザイナーをしていましたが、高校時代にオーストラリアへの留学経験があり、英語が少し話せたのと、制作職に対するあこがれがありました。そこで語学と自分のキャリアが生かせる仕事を求めて、思い切って転職しました。

記野: 日本で営業窓口を担当しているカイオス株式会社の記野です。お二人には大変お世話になっています。

―――これまで御社には何度もインタビューをしていますが、上海の開発センターに伺ったのは初めてです。

橋口: ありがとうございます。上海以外に成都、西安とサイゴンに開発スタジオがあり、パリとバンクーバーにオフィスがあります。2010年にはロシアのコンセプトアートスタジオも買収しました。社員数は合計で1100人に達しており、さらに成長中です。

―――御社の公式サイトに『The Last of Us』の開発参加について紹介があり、驚かされました。ただ、すでに次世代機の案件も進行中かと思います。

記野: これ以外にも実は、E3 2013で発表されたタイトルのうち、PS4が4本(発表タイトル合計は9本)Xbox Oneが8本(発表タイトル合計は12本)で何らかの形で バーチャスがかかわっています。

―――つまり半数以上のタイトルというわけですね。驚きました。一方で日本のタイトルについてはどうでしょうか? 次世代機については様子見感も漂っていますが・・・。

橋口: たしかに中堅企業ではそういうところもありますが、大手企業からはかなりお声がけをいただいており、実際にいくつか案件が進行中です。実際、日本企業の海外分業に対する意識は、ここ2年で劇的に変化したと思います。会社としてAAAタイトルに挑まなければならない以上、リスクマネジメントを考えればすべて国内で対応するのは難しい。そこで海外協業を考えられる企業が増えてきました。

―――またまた驚きました。現世代機の登場前夜は「できれば次世代に移行したくない。グラフィックがSDからHDになっても、ゲームがおもしろくなるわけではない」という開発者の声も耳にしましたが、それとは真逆ですね。

記野: 実際、昔より戦略的に考えられる企業が増えました。プロジェクトの立ち上げについても、タイトルをたくさん作ってヒットを期待するのではなく、「選択と集中」が明確に見られるようになっていますね。

―――御社はコンセプトアートのような上流工程から、実際のアセット制作といった下流工程まで、さまざまな業務に対応されていますが、日本側の発注ではどのような物が多いですか?

橋口: ほぼすべてですね。海外向けのプロジェクトを立ち上げるにあたり、海外のコンセプトアートのチームに発注したいという話もあれば、キャラクターや背景、アニメーション、モデルなどの作成をお願いされることもあります。もっとも数としては大量にマンパワーが必要なアセット制作の案件が多いですね。また絵柄についても実写系のグラフィックに加えて、アニメテイストの案件もあります。

―――橋口さんと中川さんで仕事の切り分けはどのようになっていますか?

橋口: 役職こそ違いますが、基本的には業務内容は同じで、プロジェクトベースで案件を切り分けています。その上で互いがカバーし合いつつ、どちらが休んでもフォローできるような形にしていますね。実際の作業では自分たちが日本のクライアント様との窓口になりつつ、プロデューサーとして進行と予算管理をおこなっています。また、中国人や、フランス人、ロシア人、イタリア人などの多国籍なディレクターが制作のディレクションを行い、中国人の現地クリエイターが作業しています。

―――中川さんは制作の仕事は初めてだと思いますが、いかがですか?

中川: ジャンルを隔てて、いろんなバリエーションのゲームにかかわることができるので、すごく良い環境だと思います。制作をする上での注意事項なども多いですし、ゲーム開発の末端ではありますが、大作ゲームにかかわっている実感が得られており、充足感は高いですね。

―――ツールなどは、どういったものを使っているのですか?

橋口: プロジェクト管理ツールの「Hansoft」を使用していて、スケジュールとアセット管理を行っており、社内のプログラマーチームがプロデューサー陣にヒアリングをしつつ、いろいろな機能を付け加えています。社外向けの機能では見積もりの管理やアセットごとのデッドライン、社内向けの機能ではアセットごとの作業効率管理などですね。TAチームもありますので、会社ごとに異なる内作ゲームエンジンのサポート対応なども可能です。他にQA用などで内作ツールを使っていますね。

―――制作チームは何名くらいなんですか?

橋口: 案件や時期によって異なり、5人くらいのプロジェクトもあれば、30名くらいの規模になることもあります。期間も同様に、1〜2ヶ月くらいのものもあれば、年単位のプロジェクトも存在します。現場への指示は中国語がメインで、僕も中川も中国語を勉強中です。また、日本チームに日本語が堪能な中国人プロデューサーもおり、言葉や文化の面でサポートしてもらっています。

―――とはいえ、どれだけ勉強してもネイティブになれませんよね。

橋口: たしかに、限界があるのは事実です。またディレクター陣とは英語で会話することも多いのですが、もともと弊社がフランス系のマネジメントということもあって、彼らにしても英語圏の人間が少数派です。日本からのドキュメントは、ディレクターの国籍により、英語、もしくは中国語に翻訳され、現場のクリエイターにも英語、もしくは中国語で指示が出されます。文字からの情報だけでは理解が不十分な場合も多く、誤った理解をする場合もありますので、できるだけイメージやサンプルを活用することが求められています。

中川: 自分で絵を描くことはありませんが、言葉として伝えづらいフィードバック内容に対して、必要に応じてキャプチャした画像を加えるといったこともあります。クライアント様の意図を社内のアーティストにいかにうまく伝えることが出来るかといった部分も私達の大事な役割です。時には翻訳ミスや伝達ミスが発生することもありますので、できるだけ現場スタッフがパッと見て指示がわかるように、ワークフローが工夫されています。

―――それはおもしろいですね。ワールドワイドでいえば「母国語でゲームを作らない、または作れない」時代が、すでに到来しているというわけですね。

橋口: そうですね。当然そのぶんだけ中間制作物が必要になり、手間がかかります。それでも今となっては、一つの企業や一つの国の中だけでゲームを作るよりも、コストが抑えられるのです。また、世界市場向けのゲームを作る上でも、いろいろな国のスタッフが加わっていた方が、さまざまな市場でヒットするために必要となります。コミュニケーションの上でストレスを感じることがない、といえばウソになりますが、そこに意義があると思います。

■創作性ではなく技術と制作効率で業界に貢献

―――AAAゲームの案件が中心かと思われますが、カジュアルゲームの受注はありますか? 以前は海外クライアントからPCオンラインゲームのアセット制作についても受注が増えていると伺いましたが・・・。

橋口: 今のところ、日本のクライアント様からのカジュアル案件は少ないですね。

記野: カジュアルゲーム関係は中国・韓国・アメリカが多いですね。特にアメリカではハイスペックなゲームを自社で開発したいので、カジュアルゲーム案件を外注したいという声が多いです。一方で日本はカジュアルゲームだとサーバ運営もセットでお願いしたいというお問い合わせも多いので、それは逆に中国国内でいいの? という相談もさせていただています。

―――アニメテイストの案件もあると言われていましたが、そちらも対応可能なのでしょうか? それこそ外注に不向きな印象もありますが・・・。

橋口: 正直に言って、そんなにシンプルな話ではありません。 バーチャスでも上手くいったプロジェクトもあれば、課題が残ったプロジェクトがあるのも事実です。完璧なコンセプトやサンプルをいただいた上で、その通りにクリエイターが作るのがベストだと思いますが、そんなことはありえませんよね。ただ、日本で買ってきたフィギュアを机の上に並べたりと、日本のアニメやゲームが好きなアーティストもかなりいます。また最初は大量のリテイクやフィードバックをいただいていても、その数が作業を通してどんどん減っていくのも事実です。

記野: 技術的な部分では日本も中国も変わらないと思いますよ。ただ「クオリティが発注側の思惑に達しているか否か」がポイントですよね。その「思惑」って何だ、という話です。そこには文化的な背景が含まれています。そこをクライアントと バーチャスで、どのように調整するかですね。

橋口: そこで新規のクライアント様については、一人月を上限にトライアルをさせていただいています。クオリティにご満足いただけなかった場合は、代金はお支払いただいていません。その上でいただいたお仕事には、全力で取り組ませていただきます。

記野: もともと バーチャスはクリエイティブではなく、プロデュースやマンパワーが必要な部分を強みにしています。感性ではなく、技術や生産性をウリにしていますので、アウトソーシングを受ける側がクリエイティビティまで主張するのは、ちょっとおこがましいかなと。

―――中川さんは制作の仕事は初めてかと思いますが、いかがですか?

中川: 橋口が説明したとおり、中国人スタッフや外国人ディレクターと一緒に作業をしているため、伝え方一つにしても、例えばメール作成においてはシンプルかつ、重要なポイントは抜けがなく伝わるよう、コミュニケーションの仕方により注意を払うようになりました。

橋口: プロデューサーは現場のアーティストよりも先のリスクを読みやすいので、常に十分な情報が現場に渡るように配慮しています。イメージを多用するというのも、社内だけでなくクライアント様にもお願いをしているところです。納品物へのフィードバックやリテイクの指示なども、基本的に画像をつけていただいています。

―――日本側と中国側の板挟みになったりすることはありませんか?

橋口: うーん、そうですね。僕らは日本担当なので、時には日本式スタイルで、現場のチームに残業や休日出勤をお願いすることもあります。そんなときに単に納期だけ伝えてもうまくいきません。それよりも日々のコミュニケーションが重要です。そのため日頃から管理業務だけでなく、制作中のアセットを見たり、声をかけるようにしています。

―――最後にお二人から、日本企業に対してメッセージをお願いします。

橋口: 先ほど申したように、弊社には得意な分野もあれば、苦手な分野もあります。ただ一つだけ言えるのは、この3年だけでも弊社の技術が相当に成長していることです。実際に次世代機に挑戦しているチームもありますし、チャレンジ精神はほぼ全員がもっていて、モチベーションの高さを感じながら仕事をしています。どのような案件でも、それに対して全力で対応していける強みがありますので、もし機会があれば、ぜひトライアルのお声がけをいただければと思います。

中川: 日本人として、中国で仕事をしながら、成果を日本のクライアント様にお返しできるとことに、大きなやりがいを感じていてます。これからも弊社をどんどん使っていただいて、日本のクリエイティビティに貢献できれば嬉しいですし、これからも努力していきたいですね。
《小野憲史》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら