ユーザーが盛り上げるゲーム業界 パッケージソフト、ソーシャルゲーム、eスポーツの将来・・・黒川塾(七) レポート | GameBusiness.jp

ユーザーが盛り上げるゲーム業界 パッケージソフト、ソーシャルゲーム、eスポーツの将来・・・黒川塾(七) レポート

15日、サイバーエージェント・ベースキャンプにて「黒川塾(七)」が行われました。黒川塾は数々のエンターテイメント業界を遍歴した黒川文雄氏が開催する毎月、恒例のイベント。今回も豪華なゲスト陣が招かれ、「僕らのゲーム業界ってなんだ・・・!?」と題し、ユーザ

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15日、サイバーエージェント・ベースキャンプにて「黒川塾(七)」が行われました。黒川塾は数々のエンターテイメント業界を遍歴した黒川文雄氏が開催する毎月、恒例のイベント。今回も豪華なゲスト陣が招かれ、「僕らのゲーム業界ってなんだ・・・!?」と題し、ユーザ
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15日、サイバーエージェント・ベースキャンプにて「黒川塾(七)」が行われました。黒川塾は数々のエンターテイメント業界を遍歴した黒川文雄氏が開催する毎月、恒例のイベント。今回も豪華なゲスト陣が招かれ、「僕らのゲーム業界ってなんだ・・・!?」と題し、ユーザー主体でゲーム業界を盛り上げていく方法が議論されました。

■黒川氏が招いたゲストは領域も異なる多彩な4人

漫才コンビ「アメリカザリガニ」の平井善之氏はゲーム好きが高じて、昨年12月に日本ゲームユーザー協会を設立しました。その他にも3DS用ソフト『GUILD01』の制作に携わるなど、芸能人の枠に収まらない活動を行なっています。

松原健二氏はコーエーテクモホールンディングスの元代表取締役社長。エンジニア出身で『信長の野望Online』、『大航海時代Online』などの黎明期のオンライン・モバイルゲーム事業に関わり、2011年にジンガジャパンの代表取締役社長に就任。ジンガジャパンはその後、解散することになりましたが、松原氏はCESAの副会長を務め、CEDEC運営を行なうなど、日本のゲーム業界に多大な貢献を行なっています。

日本eスポーツエージェンシー株式会社の代表取締役の筧誠一郎氏は、株式会社電通で音楽関係の事業を行なってきた人物。多数の有名アーティストのCMタイアップ・イベント業務、原盤制作・PV・ジャケット・HP・コンサート制作、音楽配信等を手掛けてきました。2007年に出会ったeスポーツに感銘を受け、日本eスポーツ学会設立に関わり、2010年に電通退社、2011年に現在のeスポーツの専門会社設立し、「eスポーツJAPAN CUP」の主催などを通じて、ゲーム関係のイベント運営・プロデュースを行っています。

株式会社猿楽庁の「長官」こと橋本徹氏はゲームの品質管理のプロフェッショナル。任天堂にてSE、営業、ゲーム番組「スーパーマリオクラブ」に関わり、1995年退職。1997年にマリーガルマネジメントに入社し、品質管理部署「猿楽庁」を設立。2001年に猿楽庁を法人化し代表に就きました。ゲームのチューニング事業として、制作中のゲームの評価やバランス調整などを行なっています。

■日本のゲーム業界を活気づけたい!日本ゲームユーザー協会設立
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さて今回のテーマは「僕らのゲーム業界ってなんだ・・・!?」というもの。もともと前々回のゲストであったやまもといちろう氏から、アメリカザリガニの平井氏を紹介されたのがきっかけとなったそうです。そこでまず平井氏から昨年設立された「日本ゲームユーザー協会」について概要と設立の経緯と趣旨が説明されました。

芸人らしいテンポの良いトークで平井氏は設立の経緯を説明しました。きっかけは業界から「ゲームが売れない」といった話題を多く聞いたこと。そこでゲームが売れるために盛り上げるための組織を作ろうという素朴な発想からスタートしたといいます。名前は特にこだわりがなく、「ゲーム盛り上げ隊」でも「ゲーム大好き会」でも良かったそうですが、「協会」は誰でもつくっても良いということを知り、「日本ゲームユーザー協会」を設立したそうです。

実際に平井氏によれば、日本には「ツインテール協会」などといった変わった協会が多数あるそうです。そこでゲームのユーザーがゲームを盛り上げるのなら、メーカーも喜ぶだろうと考え、友人に声をかけ、組織を作っていったそうです。発起人は7、8人であり、最初の活動は「任天堂のWiiUを発売日に並んで買おう」という地味なものでした。それでもメディアの取材を受け、記事になることで話題作りには貢献しました。実際に店頭に並び、並んでいる人同士でコミュニケーションを取るなど、今後もユーザー同士の交流を基本とした活動を行なう予定です。

しかしながら「協会」という仰々しい名前を付けた結果、平井氏のTwitterなどでは賛否両論が投げかけられました。具体的には「お前がゲームのユーザーを代表するな」、「中抜き団体だろ」といった誤解や批判にさらされました。平井氏は確かに会長を務めていますが、別に自身がゲームのユーザー代表ではないし、中抜き団体どころか、ボランティアの集まりであると説明しています。実際に現在のところ、協会には収益などがないため、新しいイベントや企画がなかなか進まないと述べています。

協会の基本的な立場としては、元気がないゲーム業界にユーザーからの応援を行なうことで活性化したいというものです。しかしながら、このゲーム業界の活気に関しては意見が分かれます。ジンガジャパンでソーシャルゲームに関わってきた松原氏によれば、確かにパッケージソフトの売上はかなり下がっていますが、その分、ソーシャルゲームの売上は爆発的に成長しています。またガンホーの『パズル&ドラゴンズ』といったメガヒット作は、今年1月の売上だけでもPS3の250万セールスに匹敵するといいます。

それに対して、確かにソーシャルは売れているものの、従来のパッケージソフトが低調であることを協会は危惧していると、平井氏は述べています。子どもの頃、待ちに待ったゲームソフトを購入して、自転車で家まで帰るときのあの興奮、それを再体験したいといったノスタルジックな気持ちが強いことを平井氏は認めています。そして実際に、協会ではソーシャルゲームやスマートフォンゲームを大きく扱っていないそうです。また橋本氏も平井氏に賛同し、確かにソーシャルゲームのいいところもあるが、パッケージも見捨てたくないという心情には共感を示しています。

そこで黒川氏は筧氏に昨今のパッケージゲームとオンラインゲームのトレンドについて伺いました。筧氏によると、パッケージにしろオンラインにしろジャンルは多様化していますが、対戦プレイや協力プレイといった形でゲームがコミュニケーションとして機能している点は同じであると説明しました。例えば、昨今のヒットタイトルであるモンスタハンターシリーズなどは、パッケージソフトでありながらも、友達との協力プレイがその楽しみの中心です。また先日、SCEから発売されて話題になっているPSVitaの『SOUL SACRIFICE』なども友達とモンスターを狩るというシステムが引き継がれています。

とはいえ、昨今ではソーシャルゲームに慣れたユーザーが既存のパッケージゲームをプレイするのを億劫に感じているという話を黒川氏は取り上げました。また松原氏は、パッケージソフトは今後、ほとんどなくなり、時代はダウンロードに移行すると予測しております。ユーザーの利便性とメーカーの在庫リスクの負担の軽減から考えると、ダウンロードへの移行は当然の流れだというわけです。

それでも平井氏はパッケージやゲーム機そのものへの魅力は捨てきれないと主張しました。確かにスマートフォンなどでもゲームは遊べますが、ゲーム機を囲んでみんなでワイワイ遊ぶというスタイルが今後も残って欲しいと考えています。それに応えて、黒川氏は任天堂のWiiUやマイクロソフトのKinectなどはその流れに乗っていると指摘しました。また橋本氏もダウンロードへの移行は必然でありますが、CDやレコードがあるのと同様に、パッケージソフトの魅力は残り続けるだろうと述べています。

他方、筧氏は形どうあれ、ゲームを通したコミュニケーションが成立すれば、これまでのゲーム文化は存続するのではないかと指摘しています。そのため、日本ゲームユーザー協会はパッケージだけにこだわらず、ユーザー同士の交流に焦点を当てたらどうだろうかと、提起しました。そこから話題は筧氏が取り組んでいるeスポーツに移りました。

■日本からも世界に選手を!世界的に盛り上げるeスポーツと日本の現状
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まず筧氏はeスポーツとはそもそも何かを説明しました。そもそも「スポーツ」の定義には、頭脳や思考力を使った行為も含まれ、将棋やチェスといったものも「マインドスポーツ」というジャンルとして含められています。そこでeスポーツは、そのような頭脳を使ったスポーツの延長線上にコンピューターゲーム、ビデオゲームで行われる競技を指すことになります。1990年代後半から欧米では賞金のかかった大規模なゲームイベントが開催され、eスポーツのプロゲーマーが誕生しています。

現在、eスポーツの中で人気のあるジャンルはFPSとRTS、さらに対戦格闘ゲーム、サッカーゲームです。FPSでは『コール オブ デューティ』、RTSでは『リーグ・オブ・レジェンド』、2D格闘ゲームでは『ストリートファイター』、3D格闘ゲームでは『鉄拳』、サッカーゲームでは『FIFA13』などが人気タイトルです。これらのセールスから考えると、eスポーツの人口は5500万人以上いることになります。もちろん、これらのゲームで遊ぶ人にはカジュアルなプレイヤーも存在しますが、大会が開かれるこれらのタイトルの潜在的なeスポーツの選手はこれくらいの大規模なものになるといいます。

筧氏は実際にeスポーツの大会の映像を紹介することで、海外での熱気を伝えています。インテルやサムソンなどの企業が開催し、ペプシやアディダスといった一流メーカーがプロチームのスポンサーとなって戦う様はほとんどワールドカップのようなスポーツの大会と同じ盛り上がりようです。またFIFA主催のサッカーゲームの大会では、優勝プレイヤーはメッシなどのプロサッカー選手と同等に表彰されるという扱いを受けています。

世界にはこういった大規模なeスポーツの大会は様々あり、既に1億円プレイヤーが存在して、動画配信などで多くのファンたちが楽しんでいます。しかしながら、日本での知名度はいまいちです。以前、海外の有名プレイヤーが来日したとき、「空港にファンが押しかけないのは日本とアフリカだけだ」とコメントしていたエピソードを筧氏は紹介しています。残念ながら日本からこれらの大会に選手を送り出すことができるのは、梅原大吾氏などのトップクラスの格闘ゲームプレイヤーだけであり、日本ではeスポーツの人気は低いといいます。

そのため、筧氏は日本でeスポーツチームの設立を手がけており、現在全国5箇所にチームを設立しました。また千葉県の市川に「e-sprts SQUARE」というeスポーツに特化した施設も作っています。そこではチームに所属する選手がインストラクターになり、初心者に講習などを行なっています。そういった地道な活動で日本にもeスポーツを普及させ、大会を開き、世界に選手を送り出していくことが筧氏のミッションだといいます。

実際に筧氏は「eスポーツ JAPAN CUP」を開催しており、今年1月開催された第4回大会の競技種目は『FIFA13 ワールドクラスサッカー』、『STAR CRAFTII』、『鉄拳TT2』でした。『STAR CRAFTII』は日本での人気が低いタイトルですが、世界的な大会種目に選ばれているため、積極的に採用したといいます。こういった活動が実を結び、最近では新聞やテレビ番組でも取り上げられるようになってきたそうです。さらにeスポーツの専門誌を創刊されたり、今年の東京ゲームショウでeスポーツの大会が行われたり、今年はますます盛り上がるだろうと期待しております。

このeスポーツの盛り上がりに対して、平井氏はユーザーにスポットが当たることを歓迎し、日本ゲームユーザー協会でも協力した取り組みを行なっていきたいと述べています。また子ども時代に、高橋名人などが憧れの存在だったと振り返りながら、今のゲーム業界にはそういったヒーローがいないのではないかと指摘しています。筧氏が目指すのも、まさにそこの部分であり、サッカー選手の長友のように、日本発のeスポーツの選手をもっともっと世界に送り出したいと意気込んでいます。実際に韓国ではなりたい職業の第2位にeスポーツのプロ選手が入るほどの人気だそうです。

また日本では株式会社クアッドアローが開発する「EF-12」という格闘ゲームのプロジェクトがeスポーツに進出する予定です。「EF-12」は誰でも自由にキャラクターをカスタマイズできる格闘ゲームのプラットフォームです。このプロジェクトではゲームバランスを最適化するために、多くのユーザーにキャラクターデータを自由に作成することが可能となっています。開発に関わっている方は、有名な格闘ゲーマーであり、行く行くは「eスポーツ JAPAN CUP」の正式種目を目指しているそうです。

■ジンガジャパンの設立から閉鎖まで:松原健二氏の奮闘記
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さて話はeスポーツからジンガジャパンの代表取締役社長を務めていた松原氏に移りました。昨年、突然の事業縮小に伴い、日本のスタジオが閉鎖された内幕を松原氏は語りました。

松原氏がジンガに入社したのは、ちょうど2年前の震災直後。もともとコーエーテクモにおいてもソーシャルゲームに取り組みたかったところ、アメリカでジンガにインタビューする機会に恵まれました。そこで率直に「ソーシャルゲームを作るのは物足りないんじゃないか?」と質問したところ、Facebookを通して何億人ものユーザーに楽しんでもらえることは、従来のゲームではありえなかったことであり、楽しくてしょうがないと応えられたといいます。

結果として、それがきっかけとなって松原氏はジンガに入社しました。去年、ジンガジャパンからソーシャルゲームをリリースすると共に、日本でのソーシャルゲームも大流行しました。しかしながら、日本のカードバトル型ソーシャルとジンガのゲームのシステムは異なり、「ガチャ」と呼ばれるクジ引き方式の課金制度も海外ではあまり理解が得られなかったといいます。そうこうしている間に、ジンガの成績が急下降、結果として世界中のスタジオを閉鎖して事業縮小となりました。

この原因は基本的には急速な事業拡大に成績が追いつかなかったことにあると、松原氏は説明しています。実際にはジンガジャパンの成績は悪くはなかったが、会社全体としての縮小として撤退した形だといいます。しかしながら、一気にグローバルに進出するアメリカらしいジンガの社風には学ぶところが多かったといいます。

日本企業はまず本国での事業を固めてから各国に展開するのに対して、ジンガでは最初からグローバルにスケールする事業を立ち上げ、ゲームの開発と同時にローカライズ、カスタマーサービス、マーケティングを行なっているそうです。そのため、ある地域に進出するのも、ゲーム開発の1つのオプションとしてかなりフットワーク軽く始めるといいます。

しかしながら、日本市場は世界全体からみると特殊であり、そのことを本社に説明することが松原氏の仕事としては大きかったといいます。例えば、「ガチャ」といった課金、ブラウザゲームという形式など、アメリカ人にはわかりづらいといいます。課金の方式としては、ガチャよりもシンプルな体力の回復が一般的です。結果として、日本のソーシャルゲームの方が利益率は高い一方、ジンガは1ヶ月のアクティブユーザーが3億人という規模を生かして薄く広く利益をあげています。

また松原氏がジンガジャパンで開発した『あやかし陰陽録』は、現在でもサービスは継続されており、台湾や中国では日本のゲームの中で一番流行っているそうです。それらの活躍を見るのは嬉しい半面、残念だと松原氏は振り返っています。

■ユーザーフレンドリーな課金システム

松原氏のジンガでの奮闘を振り返った後、話題はユーザーにとって一番気持ちの良い課金システムに移りました。平井氏はオンラインゲームなどでは、協力してくれたユーザーにお礼をするような「粋な方法」で課金をもっとしたいと述べています。

それに応えて、筧氏は阿佐ヶ谷ロフトで行われている「Tokyo Game Night!!」というイベントの「奢られ君」というシステムを紹介しました。ゲームなどのストリーミング配信を行なうこのイベントでは、視聴者が気に入ったプレイヤーなどにネットを通して「奢る」ことが可能だそうです。例えば、プロゲーマーの梅原大吾氏が出演した時は、世界中から視聴者が集まりましたが、良いプレイを見せた瞬間、多くの視聴者が「奢り」を選択した結果、ロフトの売上が尋常ではないほと上がったそうです。

それに対して松原氏も、ギフトという仕組みは面白く、人間はプレゼントを送られたら送り返したくなると述べています。そういったコミュニケーションを通した課金のあり方は健全で今後はもっと検討するべきだと提起しています。実際にネット上では、そのような小さなギフトを手軽に送るサービスが人気を集めており、現在のソーシャルゲームがガチャという課金システムに頼りすぎていることは考えなおす必要があると述べています。もっとユーザーが楽しめる形の課金システムが理想だといいます。

またゲームのチューニングのプロである橋本氏は、ゲームバランスという面でも課金システムの決定は重要だと述べています。課金すればするほど強くなるようなゲームはゲームとして成立しない一方で、課金要素がないとビジネスとしてはやっていけません。そのバランスを取ることが今後の課題だと述べています。

■ユーザーと開発者のより良い関係
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最後に全体を振り返って、ゲストのコメントが述べられました。

日本ゲームユーザー協会を設立した平石氏は、現在、公式サイトを制作中。どのようなコンテンツを載せるかを考えており、やはりユーザーに焦点をあてた内容にしていきたいそうです。また今後は会員を増やしていき、大会などを開催したいそうです。

松原氏はもともとエンジニア出身であるため、現在は開発者のコミュニティを盛り上がりことがミッションだといいます。国際ゲーム開発者協会の理事を務め、福島の復興支援を兼ねたゲームジャムなどのイベントを行なうとともに、CEDECの企画運営を行なっています。ゲームを遊ぶことはもちろん楽しいですが、ゲームを作るのはもっと楽しいことを伝えていきたいと展望を述べています。

筧氏はeスポーツをJリーグ並に普及させることで、日本の選手を世界に送り出したいと展望を述べています。またユーザーと開発者の交流の起点としても、eスポーツは役割を果たすことができると考えているそうです。

橋本氏は猿楽庁でのゲームの品質管理とは別に、シニア層向けのゲームの開発を考えていきたいと述べています。今後、自身を含め高齢のゲームユーザーが増えることになりますが、それらのユーザーにとって良いゲームとは何であるのかを探っていきたいと展望を述べています。

決算期ということもあって、黒川塾の参加者は通常期よりも少なめでした。しかしながら、逆にアットホームな雰囲気の中、ユーザー視点でゲーム業界を語ることができたのは、非常に有意義だったと思います。ゲームのプレイヤーにはプロゲーマーからカジュアルなユーザーまで幅広い層が存在します。それら様々なユーザーがどうやって協力してゲームという文化を築いていくかが今後の課題ではないだろうかと、筆者は感じました。
《今井晋》

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