アナログゲームを通してMDAフレームワーク理論を学ぶ「MDAワークショップ(初級編)」体験レポート | GameBusiness.jp

アナログゲームを通してMDAフレームワーク理論を学ぶ「MDAワークショップ(初級編)」体験レポート

2013年2月2日(土)「アナログゲームを通してMDAフレームワークを学び、業務に活かそう」をテーマに、スクウェア・エニックス本社で「MDAワークショップ(初級編)」が開催されました。

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2013年2月2日(土)「アナログゲームを通してMDAフレームワークを学び、業務に活かそう」をテーマに、スクウェア・エニックス本社で「MDAワークショップ(初級編)」が開催されました。
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2013年2月2日(土)「アナログゲームを通してMDAフレームワークを学び、業務に活かそう」をテーマに、スクウェア・エニックス本社で「MDAワークショップ(初級編)」が開催されました。

これは、IGDA日本のボードゲーム専門部会(SIG-BG)が、ゲームデザインのフレームワーク手法「MDAフレームワーク」を学ぶため、GDC(Game Developers Conference)などで開催されているワークショップをアレンジして、国内でも開催したものです。業界のプロ・アマ問わず参加した、本ワークショップの体験レポートをお届けします。

■プロセスの言語化&モデル化を図る「MDAフレームワーク」

MDAフレームワークの初心者を対象に行われた「MDAワークショップ(初級編)」。まずは体験レポートに入る前に、キューエンタテイメント株式会社のケネス・チャン氏によって行われたMDAフレームワークの概要をまとめます。

「MDAフレームワーク」はゲームの本質を「アルゴリズムレベルのゲームの根本的な仕組みを示す『Mechanics(メカニックス)』」「Mechanicsから生み出される展開を示す『Dynamics(ダイナミックス)』」「プレイヤーに生まれる感情を示す『Aesthetics(アスセティックス)』」という」3段階に分割し、それぞれを言語化・モデル化することで、ゲームデザインの評価、分析、研究へと繋げていく手段として活用するものです。

たとえば、名作ボードゲーム『モノポリー』では、次のような「Mechanics」「Aesthetics」「Dynamics」の関係が観察されます。

1.Mechanics →所持金が増えるとプレイヤーの選択肢が広がる
2.Dynamics  →状況により適した選択が繰り返されることで、貧富の差が広がる
3.Aesthetics →勝てそうにないプレイヤーは感情移入ができなくなる

ここで、負けそうなプレイヤーの感情移入を高める方法を考えてみましょう。その場合も思いつきでルールを加えたり、パラメータを調整するのではなく、「Aesthetics」と「Dynamics」を分析して「Mechanics」を見直すというステップを踏むことができます。

1.Aesthetics →負けそうなプレイヤーの感情移入を高める
2.Dynamics →貧富の差を近づけてプレイヤー間の選択の幅を縮める
3.Mechanics →所持金の量によって上昇する「税金システム」を導入する

このように各プロセスを言語化することで、イメージの伝達がスムーズになり、開発チーム内での認識がズレにくくなるのです。

■「MDAフレームワーク」を用いてカードゲームをより面白く!

概要の説明が終わったあと、さっそく参加者たちは小グループに分かれて理論の実践に移りました。その内容は、「Sissy Fight 3000」と呼ばれるカードゲームをプレイしながら、理論の理解を深るというもの。

「Sissy Fight 3000」とは、プレイヤーが攻撃カードや防御カードを使って、他プレイヤーの行動を読みながら相手のポイントを奪っていくというゲームです。詳しいゲーム説明は割愛しますが、実際にこのゲームをプレイしてみると「敗色濃厚になったら逆転は難しい」「淡々とゲームが続く」「特定のプレイヤーを集中的に狙うのは、やや気分が悪い」など、さまざまな問題点や改良すべき点が思い浮かんできました。

それらを踏まえて行うのが、今回のワークショップの主目的である「MDAフレームワークを利用して「『Sissy Fight 3000」を改良・進化させよう」というもの。筆者が参加したチーム「Solo Yellow」では、すぐに「Silly Fight」の改善点を挙げ、企画考案のためにブレインストーミングを行いました。

まずは「Sissy Fight 3000」に乗せる題材をそれぞれ出し合うことに。「戦争」や「領地の取り合い」などの案が出るなか、最終的に決定したのはなんと今流行りの「アイドル総選挙」。「Sissy Fight 3000」の「相手のポイントを奪う」というゲーム性を大胆に改変して、アイドルファンに見立てた「共有のポイントを多く取る」ことを主軸にしたゲームを目指しました。

各チームが企画発表を行ったあとは、ゲームの詳細なルールを詰めていきました。ここで用いられるのがMDAフレームワークの「Mechanics」「Dynamics」「Aesthetics」という概念です。先ほど例に挙げた『モノポリー』のように、ゲーム上の問題点を「Dynamics」と「Aesthetics」で分析して、その解決策である「Mechanics」を導き出します。また、その逆のパターンで「このようなシステムを導入してはどうだろうか」と「Mechanics」を先に挙げたうえで、そのシステムを「Dynamics」と「Aesthetics」で考察していきました。

プレイヤーはアイドル視点なのかプロデューサー視点なのか、ポイントであるファンをどのように獲得するかなどをディスカッションしつつ、少しずつ形を作り上げていきます。カードの種類や効果などを少しずつ改良し、実際に何度もテストプレイをしながら、ついに新カードゲーム「アイドル総選挙」は完成しました。

プレイヤーはプロデューサーとなり、手札にある「握手会」や「TV出演」などのカードを出すことで、カードの種類に応じて山にあるポイント(ファン)を獲得していきます。他プレイヤーが同じカードを出した場合、集客効果が薄くなるため獲得できるファンの数が減ってしまいます。つまり、相手がどのカードを出すかを予測しながらカードを提示する必要があるわけです。基本的にこれを5ターン繰り返し、最もファンを獲得したプレイヤーが勝利となります。

さらに、この一発逆転要素として「スキャンダルカード」を用意しました。このカードを切ることで、現時点で1位のプレイヤーのスキャンダルネタを世の中に広めることができ、相手の持つファンを3人奪うことができます。かなり強力なカードで、対抗する術はたった1つしかありません。それは「謝罪会見カード」で、他プレイヤーの「スキャンダルカード」の効果を無効化することができます。これにより「謝罪会見カード」と「スキャンダルカード」を出すタイミングを読み合う、心理戦が展開されるわけです。

結果として、MDAフレームワークを用いたことで、チーム内の意識が大きくブレることなくゲーム作りを行うことができました。想定した「Aesthetics」は得られたか、「Dynamics」と「Mechanics」が一人歩きしていないかなど、問題があればすぐに検証しながら進めたことが大きなポイントだったと思います。

最後に参加者全員でプレゼンを行い、それぞれの健闘を称え合いながら本ワークショップは終了となりました。なお、今後は初級編に続くワークショップの開催も予定されています。ライターである自分が参加しても楽しく学べたので、プランナー以外の方もぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
《長戸勲》

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