秩序欲求と飢餓の手法:16の基本的な欲求とマズローの欲求5段階説(2)・・・「世界を面白くするGamification」第69回 | GameBusiness.jp

秩序欲求と飢餓の手法:16の基本的な欲求とマズローの欲求5段階説(2)・・・「世界を面白くするGamification」第69回

本ポストは 前回 の続きとなります。インナーリワードにはどのようなものがあるだろうかということを探求していくのがこのシリーズの目的です。インナー性の強い欲求として

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本ポストは前回の続きとなります。インナーリワードにはどのようなものがあるだろうかということを探求していくのがこのシリーズの目的です。インナー性の強い欲求として

独立:人に頼らず自力でやりたいという欲求
好奇心:知識を得たいという欲求
秩序:ものごとをきちんとしたいという欲求
貯蔵:ものを集めたいという欲求
誇り:人としての誇りを求める欲求
理想:社会正義を追求したいという欲求
家族:自分の子供を育てたいという欲求
ロマンス:セックスや美しいものを求める欲求
食:ものを食べたいという欲求
運動:体を動かしたいという欲求
安心:心穏やかでいたいという欲求
を挙げましたが、このうちの秩序以降の欲求とそこから考えられるインナーリワードの種類について今回は見ていきましょう。


3)秩序

これは直感的に事例が思い浮かびにくい欲求ですね、僕が掃除が苦手だからでしょうか^^; 秩序が保たれている状態として整理整頓をきちんとできた時、問題が解決できた時など、物事があるべき姿をしているあるいはそのような状態を作ることができた時というのは秩序の欲求の満足感が得られる時かと思います。

コロプラという位置ゲーを代表するゲームがあります。これは自分の宇宙コロニーを作り上げて人口を増やしていくという「育成タイプ」のゲームです。ある程度ゲームが進行すると「隕石」が降ってくるようになり、せっかく作ったコロニーの一部が壊れたりします。それを防ぐために頑張ったりするわけですが、これは秩序欲を刺激する仕掛けであると言えそうです。

このように考えてみると、うまくいっていないことを解消できたことに対してリワードを付与したり、逆転の発想でうまくいかない状態をわざと作って秩序を壊しかえって秩序を保とうとする気分を喚起するという手法があり得ることが見えてきます。後者はリワードを付与しているわけではありませんが、インナーリワードはそもそも何のためのものであったかを思い返してみましょう。もちろんそれは内発的な動機を高めるためのものですね。なのでこうした手法も内発的動機を高めるためには機能させることができそうですからここで含めておくことには意味がありそうです。

ここでちょっと閑話休題。

一瞬、この手法を「罰」と呼ぼうかと思いましたが罰は何かしら行動の結果に対して付与するものですから、ちょっと今回の手法には合わないなと思い直しました。コロプラにおける隕石はわざと欲求が満たされない状態を作り上げるという効果を持つものですから、欲求の飢餓状態を作る作用があります。実は、これは書きながら気づいたのですが、欲求の飢餓状態を作る手法という意味では秩序に限らず他の欲求でも同様のやり方が理論上はありえますね。

ただ直感的には例えば好奇心の飢餓状態というのはちょっと作りにくい気がします。上記で挙げている欲求の中では、理想・誇り・安全などは飢餓状態を作りやすい気がしますのでまたそれぞれを見る際に着目してみましょう。このあたりはまた回を改めて考察したいですが、100点満点のある欲求と、満点のない(上限のない)欲求とに分けられそうな気がします。秩序は前者っぽい感じがしますが、こういう種類の欲求に対しては飢餓状態を作ることが有効に働くのではないか?と直感的には思います・・・が考えだすと長くなりそうなので又の機会に。

4)貯蔵

これは逆に非常にわかりやすい欲求ですね。最初に貯蔵が基本的な欲求の1つと知った時には、ソーシャルゲームで頻出する「図鑑」が人気があるわけがなんとなく腑に落ちたのを覚えています。

貯めることに対するリワードとしては、貯めたものそのものがリワード性を持ちます。図鑑は典型的にそういうタイプのもので、図鑑自体がリワード性を持ちます。図鑑には重厚感があったり豪華な雰囲気(デザイン)を出すことが多く見られますが、こうした演出でより貯蔵欲求を強く満たされることになります。コレクターの人がキレイに揃えたり並べたりするのと同じですね。同時に秩序欲求も満たされているとも言えそうです。貯蔵するものに希少価値がある場合にもより強く貯蔵欲求が満たされます。これは価値があるから希少なのではなく、希少であること自体が価値になっているというところが面白いですね。

また、コンプガチャは禁じられてしまいましたが、あるコレクションを制覇したことに対してのリワードはインナー性の強いリワードと言えます。単なる称号やメダルであっても十分に機能するでしょう。

ただここで注意しなければいけないのは、「何のために貯蔵しているのか」という点です。貯蔵対象のモノ自体に何かしら価値を感じていないと「なんのための貯蔵してたんだっけ」という我に返る現象が起き得ます。昆虫標本は、昆虫そのものに強い好奇心がある場合には貯蔵欲求を満たすことが出来るでしょう。そうでなければただの気持ち悪いものということにもなりかねません。


さて、今回も思いもかけない気づきがあったので2つしか進めることができませんでした。ただ我ながらですがこの欲求とインナーリワードの考察は面白いですね。自分でも新しい発見が出てきます。最初は正直「うわ、11個も欲求あるわ。これ1つ1つやっていくの大変やな・・・」とちょっと腰引けてたんですが、意外に面白い。まだしばらく続きそうですが懲りずにお付き合い下さい。


参考文献:

本当に欲しいものを知りなさい―究極の自分探しができる16の欲求プロフィール
人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ

コロプラ(コロニーな生活)


■著者紹介

深田浩嗣(ふかだこうじ)
株式会社ゆめみ(代表取締役 社長)。1976年京都生まれ。京都大学大学院情報学研究科在学中2000年1月に株式会社ゆめみを設立。高い技術力を駆使し、モバイルEC、メール配信、大規模CRMの開発やソーシャルゲームプロバイダなど「モバイルを戦略的に使うためのコンシェルジュ」として、モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける。ゲーミフィケーションの詳細はコチラ公式ブログほか、Twitterはコチラ。facebookはコチラです。
《深田浩嗣》

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