「Unreal Engine」生みの親に訊く次世代のゲーム作り | GameBusiness.jp

「Unreal Engine」生みの親に訊く次世代のゲーム作り

「Unreal Engine」の生みの親で、ビジョナリストとしても知られるEpic Games創業者でCEOのティム・スウィーニー氏。今年のCEDECでは来日し、次世代に向けて自身のビジョンを明らかにしました。GameBusiness.jpでは後日、ティム氏と『Infinity Blade』のリードアニメータ

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「Unreal Engine」の生みの親で、ビジョナリストとしても知られるEpic Games創業者でCEOのティム・スウィーニー氏。今年のCEDECでは来日し、次世代に向けて自身のビジョンを明らかにしました。GameBusiness.jpでは後日、ティム氏と『Infinity Blade』のリードアニメータ
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「Unreal Engine」の生みの親で、ビジョナリストとしても知られるEpic Games創業者でCEOのティム・スウィーニー氏。今年のCEDECでは来日し、次世代に向けて自身のビジョンを明らかにしました。GameBusiness.jpでは後日、ティム氏と『Infinity Blade』のリードアニメーターを務めたスコット・ストッダード氏の二人に、今後のゲーム開発と「Unreal Engine 4」の果たす役割について聞きました。



―――2014年にも家庭用ゲーム機の次世代機がリリースされると予想されます。今後、ハードウェアのパフォーマンスはどのようになっていくでしょうか?

ティム: パフォーマンスの向上は今後も非常に早いスピードで進んでいくでしょう。基本的にはPCでは2年で2倍に、モバイルでは1年で2倍になっています。モバイルがPCに追いつきつつあり、PS3やXbox360にも2014年頃には追いつくでしょう。パフォーマンス以外の面ではプログラムの書きやすさの改善が進んでいくと思いますし、以前と異なるプロセッサの使い方――例えば『エレメンタル』デモではGPUの半分以上をシェーダーの計算で行いました――そういったことも起こってくるでしょう。

―――講演では「デフラグメンテーション」という言葉で説明されましたが、技術が共通化していきます。ハードウェアは何で差別化していけば良いのでしょうか?

ティム: 技術基盤が同じものになったとしてもハードウェアによって実現できる体験は違うでしょう。家庭用ゲーム機はテレビと繋いでの体験になりますし、スペックが固定というのは利点です。AAA(トリプルエー)のタイトルは今後も家庭用ゲーム機で出していくというのは変わらないでしょう。PCはインターネットへの接続率が高かったり、オープンなプラットフォームで多様なビジネスモデルが構築できるというメリットがあります。モバイルは時間や空間を問わず遊べるというメリットがあります。家庭用ゲーム機とモバイルを比べるのは映画とYouTubeを比べるようなもので意味があるとは思いません。

―――しかし家庭用ゲーム機、特に携帯機の将来には悲観的な意見も多いです

ティム: 確かに携帯ゲーム機というビジネスが大きな困難に直面しているのは間違いないでしょう。ソニーはPlayStation Vitaで素晴らしい仕事をしたと思います。ハードウェアの操作性もソフトウェアのラインナップも悪くありません。しかしスマートフォンを持ったユーザーがどんどん増えていく中で、両方持つというハードルはどんどん上がっていきます。ハードウェアが売れなければ対応ゲームを作る意味はありません。そして対応ゲームが無ければハードウェアを買う必要はない。その意味でスマートフォンの方が価値があるのではないかと考える人が増えていっています。しかし固有の価値は必ずあります。それを意味のあるものに出来るかという勝負でしょう。

―――次世代機では開発費が2〜3倍になるというお話もありました。もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?

ティム: ハードウェアの性能が向上すれば、更にリアリスティックで広大な世界が構築できるようになりますし、キャラクターアニメーションやフェイシャルなどはより活き活きとしたものにできます。しかしコンテンツのクオリティが上がれば、その制作コストも上がります。あるいはインターネットやソーシャルなどカバーしなくてはならないフィーチャーも増えていきます。一方で、講演で話した2〜3倍という開発費はAAAを前提としたもので、そうした超巨大プロジェクトは減ると思います。毎年10〜15タイトル前後でしょう。何もAAAだけがゲームではありません。小規模〜中規模のタイトルも広がっていき、ビジネスモデルも広がり、開発費とのバランスが取れることを期待します。

―――技術的な向上によって実現されることで期待している分野はありますか?

ティム: リアルタイムライティングやフィジックスが向上することでより広大な世界を作れるようになるでしょう。スケール感が実際の世界に近づき、その大きな世界で建物を自由に建てたり、ダイナミックに破壊したり、大きな世界を活かした遊びも実現していくでしょう。また、キャラクターもより人間に近づきます。ロボットなどの敵キャラクターは今でも高度なものが描けますが、こと人間となるとまだまだ技術的な課題は大きいものがあります。近くで見た時のフェイシャルの作り込みや、会話のAIなどは改善余地が大きいでしょう。

スコット: 『Infinity Blade』ではタッチに最適化したゲームデザインを追求しました。それは沢山のメリットも生みましたが、沢山の妥協もありました。モバイルでもコントローラーのような機能が追加され、もっと家庭用ゲームのような操作が実現できればと思います。それから、モバイルと家庭用ゲームの両方の良さを取り込むような試みは増えていくと思います。例えば、マイクロソフトの「SmartGlass」はとても興味深いですね。両方の体験をつなげることで、もっともっとクリエイティブなものが生まれていくような気がします。大きな意味ではパフォーマンスが向上することで、どのデバイスでも同じようなものが実現できるようになるというのは開発者にとっては嬉しいのではないかと思います。

■「Unreal Engine 4」が次世代を定義する

―――Epic Gamesが「Unreal Engine 4」のために作った『サマリタン』と『エレメンタル』という2つのデモについて教えていただけますか?

ティム: まず2つのデモは異なる目的のために作られました。『サマリタン』のデモは次世代機で求められるビジュアルのレベルを定義するために作られました。非常に現実的なライティングで反射や看板などが描かれていますが、これはアーティストの力によるものです。一方で『エレメンタル』のデモではアーティストの手付けではなくリアルタイムで『サマリタン』と同様のライティングを実現することを目指しました。「Unreal Engine」のバージョンも「3」から「4」にアップしています。UIやツールの改善で効率化が図られています。例えば、シーンを作ってライトを配置するだけでグローバルイルミネーションが実現できるようになりました。「3」と基本的な考え方は変わりません。シーンを作る、テストをする、調整をする、これを可能な限りリアルタイムに行うことを目指して更なる改善が行われています。

―――生産性を向上させる「Unreal Engine 4」の仕組みについてもう少し詳しく教えていただけますか?

ティム: 一番大きいのはエディター上で作業をしている際に、リアルタイムで受けられるフィードバックが増えたことです。例えば、今までレベルデザイナーがシーンを作ってライトを配置した際には、レンダリング完了まで待つ時間がありました。しかし「Unreal Engine 4」ではライトを置いたら瞬時にエディター上で変化が確認できます。ゲームのプレイテストもエディター内でそのまま可能になりました。作成していた世界がそのまま動くようになるのです。ゲーム開発は「作って」→「試して」という反復作業ですが、エディターではそれを素早く繰り返せる仕様を更に突き詰めています。

また、ビジュアルスクリプティングシステムが大きく改善され、デザイナーにとっても使い易いものになったと思います。デザイナーがプログラマーに作業を依頼しなくともスクリプトを組めるようになりました。今まではデザイナーがプログラマーにイメージを伝えて、それをプログラマーが形にして、デザイナーが確認して修正依頼を出す、というような形になっていましたが、その作業をデザイナーだけで完結するため、生産性は大きく向上することでしょう。

―――既にEpic Gamesとして「Unreal Engine 4」を採用したタイトルとして『Fortnite』を発表されていますが、こちらについて教えてください

ティム: 『Fortnite』はPCオンラインゲームでして、30人程度のチームによるミディアムサイズのプロジェクトです。開発期間もそう長くなく、「Unreal Engine 4」の生産性の高さをアピールするという目的もあります。「Unreal Engine 3」では『Gears of War』という超大作が看板となったわけですが、今回の『Fortnite』では中小規模のプロジェクトにも十分に対応し、品質の高いものを速いスピードで開発できるという点をアピールするものです。グラフィックについては既に『エレメンタル』のデモで見せましたしね。もちろん、まだ実際のプロジェクトとしてお見せするには至っていませんが、もっと規模の大きなものも始めています。

―――スコットさん、開発者の目から見た「Unreal Engine 4」はどうでしょうか?

スコット: まだ「Unreal Engine 4」を使って実際に開発をしたわけではないので断定的なことは言えませんが、ビジュアルの進化には感銘を受けています。また、生産性の向上に大きくフォーカスしたものになっていて、Chairのような小さいチームにとっては重要なポイントになると思います。凄いゲーム体験を生み出すには、生産性の高いツールが必要不可欠です。

―――「Unreal Engine 4」はどのようなプラットフォームをカバーしていくのでしょうか

ティム: まずはPCと次世代の家庭用ゲーム機ですが、モバイルについても来年の早い時期には対応する予定です。PCでは既に複数のライセンシーが利用して開発を始めています。

―――講演ではブラウザ向けという興味深い言及もありました

ティム: 昨年、アドビと提携してC++で記述されたコードをFlashに変換できる仕組みを開発しました。既に「Unreal Engine 3」で開発したものは、すぐにでもブラウザで動作できるようになっています。さらに将来的にはC++をHTML5(JavaScript)で変換するようなことも可能ではないかと考えています。OpenGLの対応状況やJavaScriptの速度など課題はありますが、いずれはブラウザでもAAAのタイトルが遊べるようになると考えています。とてもエキサイティングな未来が待っているでしょう。

―――「Unreal Everywhere」ということもおっしゃっていました

ティム: 基本的にはDirectX 9以上の世代なハイエンドなグラフィックを実現できるプラットフォームであれば「Unreal Engine 4」を提供していくことは可能でしょう。ただ、ビジネス面の考慮も必要ですので、ユーザー数が十分で市場として確立できるものという制約はあるでしょうが。

■「Unreal Engine 4」に込められた想いとは

―――現在のゲーム開発における課題はどのようなものでしょうか?

スコット: いま最も難しいのは、どのようなプラットフォームを選択すべきかということです。我々はゲーム作りに取り組んでいるわけですが、その前提として、どのようなマーケットがあり、どのようなプラットフォームがあるかを明確に捉えなくてはなりません。ティムの話にもあったように、家庭用ゲームの将来は不透明で、いま多くの開発者が家庭用ゲームを作っているものの、そこにはリスクもあります。次世代機が今の世代のように人気を集めるかはまだ分かりません。今から色々なプラットフォームの準備をしなくてはなりません。

―――なるほど

スコット: ですので、一番大事なのはフレキシビリティと考えています。どのプラットフォームが成功するかどうか分かりませんので、どれにも対応できる準備を整えるということです。

スコット・ストッダード氏


―――CEDECの講演では『Infinity Blade』にもソーシャル的な要素を入れていきたいとおっしゃっていました。もう少し詳しく教えていただけますか?

スコット: 『Infinity Blade』は基本的にはシングルプレイのゲームです。多少、クラッシュモブのような要素もありますが、あくまで主体はシングルプレイです。もっとマルチプレイとクラッシュモブ的なものを統合して進化させていくようなことはできないかと考えています。例えば、シングルを遊んでいる場合にも、あるワールドに入れば少しマルチの要素が遊べるといったことです。これは『Infinity Blade』になるのか、次のプロジェクトになるのかは分かりませんが・・・。

―――長年ゲームエンジンの開発に携わられてきたティムさんに、最後に「Unreal Engine 4」に込められた想いを聞かせて欲しいのですが

ティム: もうかれこれ16年間、「Unreal Engine」というゲームエンジン開発に携わってきました。一番の喜びは多くのライセンシーが非常にクオリティの高いゲームを作ってくれているということです。我々が作ったゲームエンジンというツールが、開発者にパワーを与えているというのは本当に嬉しい事です。ゲームエンジンは絵筆と同じだと考えています。素晴らしい絵を描くのはアーティストです。人々はそれがどんな筆で描かれたかは気にしません。ゲームも同様で、ユーザーからは見えないけれど、開発者にとっては非常に大事なものであり続けたいと思っています。

―――ありがとうございました
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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