インナーリワード考察:人が嬉しいのはどんな時か?・・・「世界を面白くするGamification」第66回 | GameBusiness.jp

インナーリワード考察:人が嬉しいのはどんな時か?・・・「世界を面白くするGamification」第66回

前回は、ソーシャルリワードに関する使い分けについて事例を元に考察を実施してみました。続いて、インナーリワードについても同様に考察を実施してみましょう。

その他 その他
前回は、ソーシャルリワードに関する使い分けについて事例を元に考察を実施してみました。続いて、インナーリワードについても同様に考察を実施してみましょう。
  • 前回は、ソーシャルリワードに関する使い分けについて事例を元に考察を実施してみました。続いて、インナーリワードについても同様に考察を実施してみましょう。
前回は、ソーシャルリワードに関する使い分けについて事例を元に考察を実施してみました。続いて、インナーリワードについても同様に考察を実施してみましょう。

ソーシャルリワード考察:事例から見る2種類の使い分け
3種類のリワードを使いこなせ:マネタリーリワード、インナーリワード、ソーシャルリワード
(今更ながら)マズローの欲求5段階説とゲーミフィケーション
インナーリワードは自己実現欲求が満たされたと感じられるような状況において付与されると最も効果が高いと考えられます。マズローの主張によれば、「存在欲求」である自己実現欲求は、他の欲求に比べ質的に異なっており、「自身の持っている可能性を最大限発揮したい、自分がなり得る最高の自分になりたいというような欲求」であるとのことです。またそもそもこういう感覚を得られる人は少ないともマズローは言っています。

そうすると、この意味でのインナーリワードが機能する状況というのはごく限られてくることになってしまいそうです。

事例1)オリンピックの金メダル

これがインナーリワードとして機能していることは明らかと言っていいでしょう。ご存じの方も多いと思いますが、金メダルの金銭的価値はわずか数万円であるそうです。ただ世界一であるという称号でありそれまでの自分の様々な努力がついに報われた証である金メダルの獲得は、自己承認が出来るという段階を大きく超え、自己実現欲求がある意味完全に満たされた状況であると言っていいと思います。仮に注目を浴びにくい競技の金メダルであったとしても、獲得のうれしさには変わりがないでしょう。

ただ、もちろん金メダルをもらえる人の数はごく僅かです(だからこそ強烈なインナーリワードとして機能すると言えますが)。もっとライトなリワードで、インナーリワード性のある事例はないでしょうか?

事例2)Nike+のNotification

以前レビューを投稿したNike+Fuelbandですが、このiOSアプリを使っていると様々なリワードがNotificationという形でもらえます。3日連続目標達成、5日連続目標達成、曜日ごと、週単位などでのベスト更新、累積Fuelが一定以上、など達成条件が様々に用意されています。最初はかなり頻繁にもらえるのが嬉しいのですが、だんだん慣れてきます。自分自身のことですが、実はまだ5日より長い連続日数目標達成のリワードをもらえたことがありません。6日連続はあったのですが、翌日うっかり達成を逃してしまいかなり悔しい思いをしました。ですので例えば7日連続目標達成のリワードをもらえると相当嬉しいだろうと思います。自分で自分の頑張りを褒めてやりたくなると思います^^;

これはインナーリワード性が非常に強いリワードと言っていいでしょう。人から見たらなんてことのないリワードでしょうし、世の中にはもっとすごい人もたくさんいますから他人との比較でみても正直大したことのないリワードですが、自分がなかなかクリアできなかった記録を更新した時にもらえるリワードというのは嬉しいものです。

また、上記の過程の中で「最初はかなり頻繁にもらえる」という状況がありました。こういうことがあると、「どんなことを達成すればNotificationがもらえるのかな?」という好奇心が出てきます。自分自身の好奇心の満足というのもインナーリワード性の強いリワードであると言えそうです。これも自分に取って新しい発見があればリワードとして機能しますから、金銭的価値はもちろん他者との比較という点とも異なる価値として機能しています。

これらのようなリワードはライトな(つまり誰にでも付与し得るという意味で)インナーリワードとして機能させることができそうですね。

こう書いていて思い出したのが、以前の投稿で説明した「16の基本的な欲求」についてです。こちらにある欲求を満たすような種類のリワードはインナーリワードとして機能させやすいリワードかもしれません。これは別の機会で考えてみたいと思います。

(Photo by “Hi-five”/haakonsundbo)

参考文献:
Nike+
http://nikeplus.nike.com/plus/
《深田浩嗣》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら