【CEDEC 2011】エイベックのプロデューサーが考えるコンテンツを拡散させるコラボレーション | GameBusiness.jp

【CEDEC 2011】エイベックのプロデューサーが考えるコンテンツを拡散させるコラボレーション

CEDEC 2日目の午前、エイベックス・エンタテインメントの穀田正人氏は「これからはコラボレーション・プロデュース 〜1つのコンテンツを異業種に拡散させるプロデュース論〜」と題した講演を行いました。

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CEDEC 2日目の午前、エイベックス・エンタテインメントの穀田正人氏は「これからはコラボレーション・プロデュース 〜1つのコンテンツを異業種に拡散させるプロデュース論〜」と題した講演を行いました。
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CEDEC 2日目の午前、エイベックス・エンタテインメントの穀田正人氏は「これからはコラボレーション・プロデュース 〜1つのコンテンツを異業種に拡散させるプロデュース論〜」と題した講演を行いました。

エイベックスと言えば著名アーティストで知られますが、穀田氏は映像コンテンツ畑で多数の作品を制作してきた実績を持ちます。スペシャリストの多い業界ですが、穀田氏は販促や宣伝からキャリアを始め後にコンテンツ制作に携わるようになった経歴を持ち、そうした強みを生かして様々な業界を巻き込んだコラボレーションで実績を積み上げてきました。ゲーム業界と近いようで遠い映像コンテンツの世界ですが、その内容は示唆の多いものになりました。

■コンテンツのプロデュースとは

穀田氏はまず典型的なコンテンツのプロデュースについて語りました。最もシンプルな例では、コンテンツとファンが一対一で存在するものです。この場合、ターゲットが明確であり、販売数量の予測も付きやすく好まれます。財布の紐が固い時代において手堅いものの、もたらされる結果も手堅く、広がりを作るのは難しくなります。

少し広げた考え方としてワンソース・マルチユースという考え方があります。これは1つのコンテンツを多彩なプラットフォームでビジネス化するという考え方です。ゲーム業界でも多用されています。しかしながらこの考え方は中核となるビジネスが成功するという前提において、他のビジネスに拡大させていくという考え方です。中核のビジネスが失敗すれば他の展開も考えられません。

穀田氏が提案するコラボレーション・プロデュースとは、これを更に有機的に発展させたもので、一つのコンテンツの様々なプラットフォームにおけるビジネスがメインとサブの別け隔てなく、どこからでもスタートするというものです。例えば、ゲーム、アニメ、コミック、映画、MDなどがパラレルで走り、有機的に繋がりながら一つの世界観を持ったコンテンツワールドを作り上げるというイメージです。

これらは考えてみれば当たり前のことながら、出来てない事が多いと穀田氏は言います。その理由としては、メインのビジネスをやっているうちに時間切れになるというようなことが多いようです。穀田氏は自分達で出来ないから早い段階から専門の人達とチームを組んで進めていく必要があると言います。

■鍵は"免疫感"の打破

コラボレーション・プロデュースは必然的に関係者が増え、大規模なものになります。それでも挑戦する理由は何でしょうか。穀田氏は「免疫感」の打破と説明しました。どんな良いコンテンツでもユーザーはそれを消費し、慣れていってしまいます。1作目は良くても、2作目は同じレベルでは満足できなくなります。免疫が出来て要求水準が上がるのです。それを超える苦しみはゲームでも映像でも変わりません。

前よりもっと良いものを、というのは同じプラットフォームではどんどんと困難になっていきます。ゲームであれば、新しいハードを求めたり、新しい周辺機器を作ったり、目先を変える努力がよくされます。コラボレーション・プロデュースは他のプラットフォームと掛け算をすることで大きく目先を変えてユーザーの「免疫感」を壊すものと言えるでしょう。

■コラボレーション・プロデュースの実例

穀田氏は2つの実例を紹介しました。

紹介されたのは「スキージャンプ・ペア」という映像作品です。元々インターネットでの配信用に制作されたコンテンツです。スキージャンプをペアで行うという架空のスポーツを題材にしたものです。元来はインターネットで無料で視聴できるものですが、人気を集めたためこれをDVD化しようという企画が持ち上がります。

これは頭を悩ませる課題です。何せ元は無料のコンテンツです。悩んだ末に穀田氏らは架空のスポーツの教本を作成してDVDに付属するという作戦に出ます。更に「誰も実際に貰ったことはないだろう」という理由から金メダルと、「雪山に持っていく時の為に」と防水バックも付けて発売。何と最終的には21万枚も売れるヒット作品になったそうです。

さらに翌年にはVol.2を制作することになった際には、パッケージのイラストが歯ブラシのように見えるということで、歯ブラシ付きで発売したそうです。また、更に次の作品ではVol.3から7まで飛ばしてナンバーをVol.8として発売するという作戦に。抜け落ちた部分はDVD-BOXとして3〜7のDVD-Rを同梱。ただしカラのDVDです。なんとこれも大ヒットをします。DVDを買う楽しさを別の角度で実現したのが勝因と穀田氏は振り返っていました。


もう一つはテリー伊藤さんが主演の「10億円稼ぐ」というコンテンツです。テリー伊藤さんが新しいキャラクターを生み出して10億円のビジネスに育てる様子を描いたドキュメンタリーです。これが新しい理由は実際に新しいキャラクターでMD(マーチャンダイジング)のビジネスを並行して行ったことです。

映画の3年前からキャラクター制作に乗り出し、実際にサークルKサンクスでグッズを販売。ドンキホーテやしまむらではアパレルを販売しました。こうした展開で素地を作りながら更に映画として見せていきました。これもかなりの反響があったようです。エイベックス一社では絶対に無理な展開ですが、コンテンツの広げ方としてはとても面白いものがあります。

■最後に

最後に穀田氏はゲームにおいてもコラボレーション・プロデュースをぜひ一緒にやっていきたいと呼び掛けました。「ゲームは凝縮されたクリエイティブの宝庫であり、もっと展開できることがあるはず」と話し、ユーザーに驚きを与えるようなものを一緒に作っていきたいと話して講演を終えました。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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