ゲーム開発で重要性を増すテクニカルアーティストとは? IGDA SIG-TA第一回勉強会 | GameBusiness.jp

ゲーム開発で重要性を増すテクニカルアーティストとは? IGDA SIG-TA第一回勉強会

IGDA日本ゲームテクニカルアーティスト部会(SIG-TA)は2月6日、SIGは発足して初めてとなるセミナーをサイバーコネクトツー東京スタジオの会議室で開催しました。当日は世話人のセガ麓一博氏をはじめ約30名の開発者が集結し、テクニカルアーティスト(TA)を巡る現状の

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IGDA日本ゲームテクニカルアーティスト部会(SIG-TA)は2月6日、SIGは発足して初めてとなるセミナーをサイバーコネクトツー東京スタジオの会議室で開催しました。当日は世話人のセガ麓一博氏をはじめ約30名の開発者が集結し、テクニカルアーティスト(TA)を巡る現状の
  • IGDA日本ゲームテクニカルアーティスト部会(SIG-TA)は2月6日、SIGは発足して初めてとなるセミナーをサイバーコネクトツー東京スタジオの会議室で開催しました。当日は世話人のセガ麓一博氏をはじめ約30名の開発者が集結し、テクニカルアーティスト(TA)を巡る現状の
  • IGDA日本ゲームテクニカルアーティスト部会(SIG-TA)は2月6日、SIGは発足して初めてとなるセミナーをサイバーコネクトツー東京スタジオの会議室で開催しました。当日は世話人のセガ麓一博氏をはじめ約30名の開発者が集結し、テクニカルアーティスト(TA)を巡る現状の
IGDA日本ゲームテクニカルアーティスト部会(SIG-TA)は2月6日、SIGは発足して初めてとなるセミナーをサイバーコネクトツー東京スタジオの会議室で開催しました。当日は世話人のセガ麓一博氏をはじめ約30名の開発者が集結し、テクニカルアーティスト(TA)を巡る現状の問題点や解決方法などについて、熱心な議論が繰り広げられました。

また福岡本社でも各企業から10名の開発者が参加。福岡本社と東京スタジオをオンラインで接続し、多人数でリアルタイムにコミュニケーションができるHDTV会議システム「窓」を用いて、相互に意見交換も行われました。

SIG-TAは近年重要性を増しているTA(テクニカルアーティスト)のあり方や、現状の課題点克服、TAの将来像などについて議論する専門部会です。企業の枠にとらわれず、幅広い知見を集約する事で、まだまだ曖昧模糊としたTAという職種の足場を築き、開発力全体の底上げをめざすことを目的としています。

会場では前後半に分かれて、合計4本の講演と2本のラウンドテーブルが行われました。講演テーマは▽データフロー自動化ツールの考え方▽海外TA事情から日本のTA像について考えてみる▽物理ベースの絵作りのための基礎知識▽デザイナーショック外伝 DCCツール別リアルタイムシェーダの環境、と多種多様。ラウンドテーブルのテーマは▽プログラマとデザイナの間での板挟みの話▽TAのプログラムとのつきあい方、です。

講演者とモデレータは、▽セガ麓一博氏▽SCE大内慎一氏▽AQインタラクティブ鈴木雅幸氏▽バンダイナムコゲームス長松龍太郎氏が担当。福岡会場ではサイバーコネクトツー中村大介氏がモデレータを務めました。

もともとTAはゲーム開発の大規模化と職種の細分化に伴い、主にプログラマーとアーティストの間を埋める存在として、新たに誕生してきた経緯があります。一方アメリカではハリウッドを中心にCG技術が進化し、それがゲーム産業に転用されてきた経緯もあり、一足早くTAが確立されてきました。そのためTAの定義や業務内容、浸透度は各社でまちまちで、世界的に見ても温度差があります。

参加者もTAという明確な肩書きは少なく、TA的な職種についているプログラマーとアーティストが半分ずつ参加。数は少ないものの、ゲームデザイナーやそれ以外の職種からの参加も見られました。前半ラウンドテーブル「プログラマとデザイナの間での板挟みの話」でも、「日本ならではのTA像とは何か」「TAのモチベーションとの源泉は何か」「生産性向上とクオリティアップのバランスは?」「TAの重要性を社内でどのようにアピールしていくか」といった議論が見られました。

こうした中で、あるゲームデザイナーからは、TAと同じようにゲームデザイナーもまたアーティストとプログラマーの間を埋める職種として誕生したため、各社で定義や仕事内容がバラバラだとコメント。TAを巡る現状と近しい部分があると指摘がありました。このほか生産性向上の議論については、家電業界のエンジニアからバリューエンジニアリングという概念が紹介されました。コストあたりの価値を最大化するための体系的手法や考え方のことで、一例になればとのことです。

一方、ラウンドテーブル後半「TAのプログラムとのつきあい方」では、アーティスト出身のTAは、どの程度プログラムが書けるようになるべきかという議論から始まり、シェーダーなどの技術は日々進化するため、物理や光学の基礎知識といった、土台となる知識が求められるのではないかという議論に展開。手軽な勉強法として、カメラによる写真撮影などの議論も飛び出しました。実際、写真専攻以外の学生は、カメラの基礎知識を持たずに就職する例も多く、露出補正やホワイトバランスといった概念を体得しないままゲーム開発を行う例も少なくないとのことです。

このほかTAに求められるスキルとして「DCCツールでプラグインやツールが作成できる」「シェーダーが書ける」という2点が最低限必要で、そこから自動化や効率化、トラブル回避といった高度なスキルや経験が求められるようになるのでは、といった指摘もありました。TAの育成やキャリアパスを考える上で、重要な指摘でしょう。なお、当日の模様はtwitterでツイートされ、まとめサイト(http://togetter.com/li/97621)でも確認できますので、本稿とあわせてご覧ください。

また「窓」システムについては、思った以上に遅延が少なく、HDTVの解像度も手伝って、ほぼストレスのない相互コミュニケーションが行われました。セミナー修了後には会議室で簡単な懇親会も実施。会場を提供したサイバーコネクトツー東京スタジオの渡辺雅央氏は「福岡ではこうしたセミナーの回数が少なく、情報に飢えているのが実情。会場提供を通して、福岡本社からも参加でき、非常に良かった」と語りました。

なお東京スタジオでは2月11日(金・祝)にも、IGDA日本グローカリゼーション部会主催のセミナーが開催される予定です。
《小野憲史》

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