【CEDEC 2010】良い立体視を作るコツとは?そのお作法を紹介 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2010】良い立体視を作るコツとは?そのお作法を紹介

良い3D立体視画像を作るためには様々なコツがあるそうです。

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良い3D立体視画像を作るためには様々なコツがあるそうです。
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CEDEC2010では「「良い」3D立体視ゲームを作るためのプログラミングとデザイン入門」と題した講演が行われました。

福本 正紀氏大戸 友博氏


株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント ソフトウェアプラットフォーム開発部チーフソフトウェアエンジニアの福本 正紀氏と、同3Dソフトウェアエンジニアである大戸 友博氏が3D立体視画像のお作法に関して語りました。



福本氏は3D立体視の歴史を総括します。「3D立体視」とは「わずかに異なる視点からの画像を左右の目で見ること」。すると脳は二つの画像を結合し、立体として捉えます(二つの画像の差は「視差」)。その歴史は古く、1832年に初の立体視が誕生、1844年には3Dフォトビューアが、1852年には12コマの3Dムービーが発表されています。

最新式の液晶TVが、手頃な値段で高画質3Dを実現できる今は、再び3Dがクローズアップされるべき時代。3Dとなることで没入感とリアリティが向上し、識別能力や奥行きの認知が向上するといいます。



よい3D立体視画像にはいくつかのポイントがあるそうです。右目用と左目用の映像がどれくらい離れているかが「視差量」。平面の画像には視差量がなく、視差量をつけることで立体視が実現します。

しかし、二つの画像をあまりに離しすぎると「開散」とよばれる現象が起こり、見る人にとってかなり不快な画像になるといいます。これは3D立体視画像では「最もやってはいけないことのひとつ」(大戸氏)だそうです。

右目用の画像を左へ、左目用の画像を右へ・・・と交差するように配置すると視差量は負となり、「飛び出す画像」が作れます。ただし、飛び出すはずの物体が画面の端などで遮られると「ウィンドウ違反」となり、非常に見にくい映像に。そのため、飛び出すものはTV画面より奥になるような配慮が必要となります。

また、3D立体視画像の中に平面の字幕などを配すると、本来とは異なる奥行きとなる「奥行き矛盾」が発生。これも見づらい画像の原因となります。



3D立体視がどの領域まで快適に見えるかはTVの大きさに依存します。画像にあまり奥行きがあっても、奥の方の領域は快適に立体視できないのです。そのため「ゲーム画面に壁を配して奥行き方向を制限する」「3D設定を調整、映像の奥行きをあえてゆがませ、手前の視差量を大きく、奥の視差量を小さくする」ことでこれを軽減できます。このゆがみの制御は3D調整の肝だそうです。

大戸氏はよい3D映像を作るためのチェック項目を以下のようにまとめます。

■3D立体視映像のチェック項目



・左右の映像が正しく見えるように描画する。
左目に右目の映像を描いてしまうといったミスがあるそうです。
・すべての物体がちゃんと両方の画像に描画されている。
ある物体が片方の目にだけしか描かれていないということもよくあるそうです。
・左右の目の画像が同じ時間を描写している
片目の画像を作ったあとにゲーム内の時間を進めてしまえば、左目の画像は1分時点のものなのに右目の画像は1分10秒時点を示している・・・といった矛盾が起こります。
・視差の量がちょうどいい
遠景の描画物の視差量が離れすぎているといったことが起こるそうです。視差量はTVのサイズでも変わるため、これにも注意しないといけないそうです。
・深さ情報に矛盾がない。
複数のカメラを使っている場合などに注意する必要があるそうです。
・ウインドウ違反していない
但し、高速に飛び出す小さな破片などはウィンドウ違反があっても許される場合があるそうです。
・クロストークがきつくない
左目用の画像、とはいっても、どうしても右目でも見てしまうことが避けられないそうです。これをクロストークといい、あまり多いのは良くないそうです。映像のコントラストを落とす、視差量を落とすとクロストークが減らせるそうです。

大戸氏は3D立体視対応とするためにフレームレートを30Hzに落とした『wipEout HD』、画面分割対戦モードを立体視モードのベースとして活用、三人称視点であえてミニチュア感を出した『MotorStorm2』、負の視差を活用して宇宙船が飛び出す効果を生み出した『STAR STRIKE HD』といった作品のケーススタディを紹介、「何かを削って3D化するのではなく、そのまま3D化するのが重要」であり、高解像度&高フレームレートの作品は3D化する価値が大きいと語りました。
《水口真》

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