【CEDEC 2010】「サウンドクリエイターは最前線に立ちつつ中堅を育てる」カプコンサウンドの制作スタイル | GameBusiness.jp

【CEDEC 2010】「サウンドクリエイターは最前線に立ちつつ中堅を育てる」カプコンサウンドの制作スタイル

カプコンサウンドを作るためにはサウンドクリエイターから他の部署への歩み寄りが重要となるそうです。

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カプコンサウンドを作るためにはサウンドクリエイターから他の部署への歩み寄りが重要となるそうです。
  • カプコンサウンドを作るためにはサウンドクリエイターから他の部署への歩み寄りが重要となるそうです。
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カプコンサウンドを作るためにはサウンドクリエイターから他の部署への歩み寄りが重要となるそうです。

CEDEC2010では「カプコンが考えるサウンド制作方法の提案3 -ロストプラネット2編-インタラクティブミュージックの制作手法とインハウスコンポーザーの開発スタイル」と題した講演が行われました。

「プレイヤーの気持ちに合わせて曲が変わることがいま一番求められている表現方法」であると株式会社カプコン 制作部 サウンド制作室サウンドディレクターである岸 智也氏は定義します。

これを実現するため、カプコンのゲームでは様々なパラメータにあわせて曲を変化させています。敵が強いか弱いか、敵が気づいているか否かといった情報に加え、さらにユーザーの行動も見ているのです。たとえばボタンを連打しているのであれば焦っている、適切な操作であれば気持ちに余裕がある・・・などの判断が行われているそうです。これにプレイヤーキャラクターや敵の残り体力などを加味することで、インタラクティブに曲が変化していきます。

こうしたトリガー(ゲーム中のどのポイントで曲を変化させる情報を送るか)は曲作りと併せてコンポーザーが考えるべき要素であり、「プログラマーへの指示」や「企画段階から曲の表現方法を考える」など、他の部署への歩み寄りが重要になっていくといいます。

曲の変化をどこまで表現するかは予算やシステムなどで見極めが必要であり、ゲームコンセプトとサウンドコンセプトをすりあわせることが求められます。

ゲームの音楽はインタラクティブであり、そのためにはサウンド側からのアプローチも必要。「ゲームミュージックを作っているという役割を果たす必要があり、これを果たすとすばらしいインタラクティブミュージックが作れるのでは?」と氏は意識改革を提案します。

同社制作部 サウンド制作室コンポーザーである牧野 忠義氏は、インハウス(社内)コンポーザーがなすべきことを「必須五項目」と表現します。

「楽曲制作」「システム構築」「組み込み」「ゲームチェック」「各種管理」の五つはカプコンのコンポーザーの基本であり、さらに「効率性の上昇」「自己アピール・プレゼン能力の向上」「多様な業務に対する柔軟な対応」などが求められます。

こうしたスキルを身につけるため「Music Adviser」制度が取り入れられているそうです。「Music Adviser」はメインコンポーザーの育成と補助を行う導師(メンター)的存在であり、「自分が最前線に立ちつつ中堅を育てる」任務をこなしていきます。メインコンポーザーは「Music Adviser」からアドバイスを受けつつ、新人のカリキュラム制作なども行い、さらに下の層の育成を行っていくそうです。

サウンドスタッフの意識を高めるためにリアルタイムの情報共有も行われています。

タイトル開発終了報告会や外部専門家を招いての講習会、職種別ディスカッションに技術問題の共有、さらにはサウンドメンバー用のポータルサイトを開設、最新知識や進捗などをリアルタイムに書き込むことで「個人知」を「組織知」へ変えていく試みが続けられているそうです。

牧野氏はサウンドスタッフの今後について「大事なのは個人の意識であり、個人からチームへの意識改革」であると総括しました。
《水口真》

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