【GDC2010】ファンとのコミュニケーションをいかにゲーム開発に取り入れるか | GameBusiness.jp

【GDC2010】ファンとのコミュニケーションをいかにゲーム開発に取り入れるか

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木曜日の午後1時半より、「Community 2.0: Integrating Social Design into the Production Pipeline(コミュニティ2.0:ファンとのコミュニケーションをゲーム制作過程にどのように組み込むか)」というタイトルのパネルディスカッションが行われました。
  • 木曜日の午後1時半より、「Community 2.0: Integrating Social Design into the Production Pipeline(コミュニティ2.0:ファンとのコミュニケーションをゲーム制作過程にどのように組み込むか)」というタイトルのパネルディスカッションが行われました。
  • 木曜日の午後1時半より、「Community 2.0: Integrating Social Design into the Production Pipeline(コミュニティ2.0:ファンとのコミュニケーションをゲーム制作過程にどのように組み込むか)」というタイトルのパネルディスカッションが行われました。
  • 木曜日の午後1時半より、「Community 2.0: Integrating Social Design into the Production Pipeline(コミュニティ2.0:ファンとのコミュニケーションをゲーム制作過程にどのように組み込むか)」というタイトルのパネルディスカッションが行われました。
木曜日の午後1時半より、「Community 2.0: Integrating Social Design into the Production Pipeline(コミュニティ2.0:ファンとのコミュニケーションをゲーム制作過程にどのように組み込むか)」というタイトルのパネルディスカッションが行われました。

パネリストは Nathan Fouts 氏 (Mommy's Best Games)、Brian Jarrard 氏 (Bungie Studios), Ryan Schneider 氏 (Insomniac Games, Inc.)、Christian Arca 氏 (Toy Studio)、そしてモデレーターは、かつてゲーム誌「Electronic Gaming Monthly」の編集長を務め、現在ではBitmob.comの共同創設者である Dan "Shoe" Hsu 氏。

左よりFouts、Jarrard、Schneider、Arca、Hsu の各氏


ゲーム開発会社がファン向けにコミュニティを作り、積極的に交流を図り、それをどのようにマーケティングにつなげていくか、という議題です。日本でもプロジェクト単位では専用サイトやブログで開発中からユーザーに対して情報が提供される、などの活動がなされていますが、欧米市場においてはその重要性が急速に増してきているようです。

モデレーターであるHsu氏がいくつか質問を投げ、それに対してパネリストが答える、という形式でセッションが進んでいきます。


■ゲーム制作における「コミュニティ」とは何でしょうか? 5年前と何が変わってきましたか?

・インソムニアックにおいてコミュニティとはファンとのコミュニケーションの窓口です。特に我々のように独立した開発会社にとってはマーケティング活動の面から見ても極めて重要なものです(Schneider)

・バンジーでもファンコミュニティを大切にしています。ユーザーをファンとして維持できるだけではなく、開発スタッフも様々なインスピレーションを得ることができます(Jarrad)

・5年前と違うのは、単なる開発サイドからの情報発信ではなく、ファンからのアドバイスをもらえるところでしょうか(Fouts)

・大手開発会社のプロジェクトの一部を担当しているような場合でも、チーム内でその重要性に対する認識は変わりません(Arca)


■コミュニティはゲーム開発をどのように変えましたか?

・かつてコミュニティは開発過程の中の小さな追加作業のようなもの、という認識でした。PRのためのちょっとしたギミックです、コミュニティ1.0とでも言いますか。それが現在では、ファンを開発過程から巻き込んでコミュニティを育てていくことがとても重要になってきました。

・オンラインでの対戦、協力プレイはそれまでのゲームを大きく変えました。それまで無かった、大きな魅力になりました。さらにキャラクターや車のカスタマイズなどユーザーが作るコンテンツ(UGC)がさらなるユーザーを呼び込む力は無視できません。対応するのは簡単ではありませんが、やる価値は十二分にあると思います。

・開発の途中でフォーカステストを行い、ターゲットとするユーザーの好みを正しく把握することも重要です。


■コミュニティとの付き合い方は?

・ファンコミュニティを持つということは、開発会社がコミュニティと結婚するようなものです。そして絶対に離婚できないのです。

・ユーザーの声が必ずしも正しいとは限りません。しかし、コミュニケーションを続けることが重要です。仮に間違ったアイデアが提案された場合も、それを採用しないことを表明した上で、提案してくれたこと自体には感謝する、というように、ファンを大切に扱っている、という姿勢を示すことが大切です。

・開発サイドからも、当然何でも発言して良いわけではありません。言うべきこと、言わない方が良いことは社内でフィルタリングしておく必要があります。可能であれば、それらを専門的に扱うコミュニティマネージャーを立てるべきでしょう。

・ゲームのクオリティの向上はもちろん、上手く付き合うことで開発チームの士気の向上にもつなげられます。


■HALO、Guitar Hero、Resistance といった大型タイトルなら十分なマーケティング費用が与えられるでしょうが、中規模、小規模のプロジェクトにとってコミュニティはどのようなものでしょうか?

・コミュニティを正しく維持することそのものがマーケティング活動だと認識するべきです。コミュニティの参加者全員がマーケティングスタッフなのです。

・現在ではゲームを買うきっかけは「テレビのCMを見て」から「友達が遊んでいるから」、「フォローしている人のツイートを見て」、の方が多くなっています。コミュニティの影響力は計り知れません。

・無料のトレーラーやデモも良いでしょう。とにかく会話のきっかけになるような活動が重要です。


■皆さんの会社ではどのようにコミュニティを維持していますか?

・最初インソムニアックではファン向けのフォーラムを作ることに否定的でした。発信する情報の内容を十分に吟味して、問題無いと確認できてから発信する、というところから始めましたが、その反応は我々の想像以上でした。今ではコミュニティのメインテナンスを担当する専属のスタッフが3人います(Schneider)

・ファン同士のイベントに会社からTシャツを寄付してとても喜ばれたことがあります(Jarrard)

・ゲームのリリース後にオンライン向けの追加機能をリリースしたところコミュニティで話題になり、トランザクションが30%も増加しました(Arca)

・インソムニアックでは、年に1回コミュニティで募集したファンを会社に呼んで見学ツアーを開きます。競争率が高いこともあり、実際にツアーに来た参加者がコミュニティ内や自分のブログなどでそれに関する発言をし、そこからさらに会話が広がる様子を見ていると、その広告効果は計り知れません。開発スタッフも直接ファンと話すことで様々な刺激を受けられますし(Schneider)

・ウェブに載せるインタビュー、コラム、写真、ポッドキャスト、ビデオなどの制作は、かつては開発中片手間でやるものでした。しかし今ではマーケティング活動の一環として、業務としてやらせるようにしています(Jarrad)


その後フリーディスカッション形式になりましたが、いくつか気になる発言をピックアップすると:

・「There is no reason not to do community(コミュニティをやらない理由は無い)」

・「Marketing brings people, community keeps people(マーケティングは人を呼び、コミュニティはその人たちをファンであり続けさせる)」


セッション終了後の質疑応答で「コミュニティにいるファンの大半は良いファンだと思うが、一部には悪意を持ったファンもいると思う、そのようなファンとはどのように付き合うべきか」という質問がありました。

それに対しては:

・誠意を持って対応した上で、態度が変わらないようであれば毅然とした対応でキック、バンする、といった対応も必要だと思います。

・他の善意のファンに対する影響力を考え、自分たちのスタンスをコミュニティの参加者に対して明白にしておく必要があるでしょう。

・そういったタイプの人間が発言しづらくなるような雰囲気を作って行くことが大事です。

…という回答でした。


最初にも書いた通り、個人的には日本の開発会社ではまだファンの集まるコミュニティはあまり重要視されていないように感じますが、これをマーケティングツールとして捉え、積極的に活用していこうという今回の議題にはとても刺激を受けました。
《今鳩越前》

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