体験版、ただ配信するだけでは。更なる活用を・・・「小野憲史のゲーム評評」第10回 | GameBusiness.jp

体験版、ただ配信するだけでは。更なる活用を・・・「小野憲史のゲーム評評」第10回

いよいよ年末商戦が近づいてきました。今年は現世代機が発売されて丸3〜4年になり、大作ソフトが目白押しです。僕も周囲から「なにか面白いゲームはない?」と尋ねられることが増えました。

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いよいよ年末商戦が近づいてきました。今年は現世代機が発売されて丸3〜4年になり、大作ソフトが目白押しです。僕も周囲から「なにか面白いゲームはない?」と尋ねられることが増えました。

その度に言っているのが「ゲーム機をインターネットに接続して、デモ版を遊んでみたら?」ということ。実際、PS3とXbox360のデモ版や体験版の充実ぶりは大したもので、XboxLiveアーケードに至っては、すべてのタイトルが無料で試遊できます。PSPでもデモ版がありますし、DSでも店頭や「マックでDS」で体験版が遊べる環境が整っています。

Wiiでも17日から『グーの惑星』など、Wiiウェアで4作品の体験版配信が始まりました。個人的にはWiiリモコンなどに加えて、DSでも操作できる『ポケモン不思議のダンジョンいくぞ!嵐の冒険団』が新鮮でしたね。十字ボタンに加えて、タッチパネルでも技がくりだせる。来年17日までの期間限定なので、興味のある人は早めにダウンロードするといいでしょう。

このように、体験版やデモ版の充実ぶりは現世代機の特徴の一つです。なにしろ、ケータイゲームやブラウザゲーム、PCオンラインゲームなど、世の中には無料の遊びが満ちている。その中でゲーム機だけが無縁でいられるとは、ちょっと考えにくいでしょう。もちろん、パッケージゲームならではの差別化や、新鮮な体験の提供は重要ですが、一方でより多くの人に知ってもらう努力も必要だと思います。

ただ、そこで一つ提案があります。このデモ版の情報は、意識して集めなければ、意外と見落としがちなのです。僕もWiiウェアの体験版配信を知ったのは、たまたま18日にWiiショッピングチャンネルを立ち上げたからでした。デジタル配信時代に伴い、ゲーム情報の露出スタイルも、より広げていくべきだと思われます。

さらに今後はブログなどからユーザーが直接、アフェリエイトなどを張れるといいですね。それには環境レベルでの取り組みが必要です。でも、それがデジタル配信時代というもの。よりシンプルで使いやすい、ウェブでの口コミ効果が生きるような、開かれた仕組みを作って欲しいと思います。

■小野憲史
1971年生まれ。関西大学社会学部卒。「ゲーム批評」編集長などを経て2000年よりフリーランスに。ゲーム業界でジャーナリズム活動を行っている。共著に「ニンテンドーDSが売れる理由」(秀和システム)、「ゲームニクスとは何か」(幻冬舎)構成協力など。
《小野憲史》

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