【CEDEC 2009】日本と海外の違いとは?〜「国際マーケットを視野に入れた開発とは?」 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2009】日本と海外の違いとは?〜「国際マーケットを視野に入れた開発とは?」

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敵を知り、己を知れば、百戦また危うからず……。海外向けのゲーム開発でも、同じことが言えます。では私たちは海外市場の現状と国産ゲームの強みを、どれだけ理解しているでしょうか?
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プロデュースセッション「国際マーケットを視野に入れた開発とは?」では、カイオスの記野直子さんが、コンソールゲームを中心に北米市場の現状と、日本と海外のゲーム開発の違いについて講演しました。

カイオス代表取締役 記野直子さん


記野さんは日産自動車を経てゲーム業界に飛び込み、コナミ、バンダイ、SCEとキャリアを重ねながら、ライセンス取得やモバイルコンテンツの海外展開など、一貫して海外事業畑を歩んできました。2007年に起業後は、ゲーム業界への転職支援、海外営業支援、コンサルティング業務などを行っています。

記野さんはまず、海外市場の現状について分析を始めました。周知の通り北米、欧州を中心とした海外市場は、国内市場と比べて数倍の開きがあります。中でも昨年の北米におけるソフト販売本数は圧倒的で、日本のほぼ5倍、欧州の2倍弱となっています。機種別ではWiiとDSの販売が突出していますが、コンソールに限るとPS3とXbox360も健闘しており、両者を併せるとWiiの本数と並びます。また欧州ではWii、PS3、Xbox360がほぼ1/3ずつでシェアを分け合っています。

一方ソフトの内訳では、Xbox360とPS3ではアクション、スポーツ、シューター(FPS+TPS)の御三家が人気を集め、特にPS3では約3/4を占めています。もちろんWiiでもこの傾向は見られますが、アクションでは「はじめてのWii」「大乱闘スマッシュブラザーズX」「Wiiフィット」など特定タイトルへの集中が大きく、実際は40%以上が「パーティゲーム」によって占められていると分析しました。この背景には「リモコン革命」というWiiのハード特性が大きいのは言うまでもありません。

また海外では日本と比べてPC市場が大きく、コンソール版のリスクヘッジとして機能してきた経緯もありました。そこでハイエンドなPC向けに開発し、これを各コンソール向けに移植する「トップダウン戦略」です。一方で日本では各ハードに最適化したゲームを作る「ボトムアップ戦略」が長く続いてきました。こうした経緯から、海外ではWiiとXbox360+PS3にコンソール市場が二分されてきたのです、

北米のWii・PS3・Xbox360のポジションXbox360のソフトシェアPS3はXbox360と似ている
Wiiでは特定タイトルにシェアが集中実際はパーティゲームが約半数を占める


ただし、こうしたハイスペック機向けゲーム開発が、大きな曲がり角を迎えつつあるのは周知の通りです。

まずゲーム制作費が高騰した結果、リクープラインが大きく上昇し、マルチプラットフォーム戦略が加速しました。映画ゲームや有名人の起用、続編の増加など、マーケティング重視のゲームが増加してきました。一方で開発チームが大規模化すると、チーム内でのコンセンサスがとりにくくなるため、開発パイプラインが強化されていきます。マイルストン管理がより徹底されたり、中には開発チームを縦軸と横軸の両方で管理するマトリックス組織が増えるなど、管理も厳しくなっていきます。

その結果として、納期とクオリティのバランスが、さらにタイトになってきました。テレビコマーシャルなどの大型プロモーションを確実に成功させるために、発売日の遅れは許されません。映画ゲームの場合も公開時に発売できなければ宣伝効果が激減します。開発規模が大きくなればなるほど、こうした傾向が顕著になっていくのです。記野さんはここが日本の遅れているところで、一般的に日本のディベロッパーは海外から、納期が遅れるというイメージを持たれていると指摘します。

ここでプラスに働いたのが、欧米流の合理的なゲーム開発スタイルです。90年代後半までは「ハードを叩き」ながら、プアなハード性能を最大限に発揮させる日本の開発スタイルが適していました。少人数でスクラッチ&ビルドをくり返しながら、品質を上げていく手法も有効でした。これに対して分業とマイルストン管理にもとづき、PC向けに作ったゲームを、コンソール向けに落とし込んでいく手法では、ハードごとの性能も生かせず、それなりのクオリティしか出せませんでした。

ハイスペック機での現状日本企業の強みが弱みに変化PC化するハード環境


しかし今日では、この力関係が逆転してしまっています。ハード環境がPCに近づいた結果、PCで培われた最先端技術がコンソールでも活用可能になりました。この変化に海外の開発者はより柔軟に対応できました。エンジンなどの共有を推進する開発スタイルや、分業によるゲーム作りも、タイトルの大型化にぴたりとはまりました。一方で日本ではハードスペック向上に対する技術キャッチアップや、開発体制の合理化で遅れをとるようになりました。その結果、国産ゲームで基礎固めでリソースを使いすぎ、作り込みが足りない例も見られるようになっています。

こうした理由から記野さんは「思い切って、ゲームエンジンやミドルウェアを導入し、技術を要求して、効率化をめざすべきでは」と指摘しました。こうした動きは国内でもカプコンのMTフレームワークなどが有名ですが、まだまだ一般的ではありません。しかしゲーム開発を取り巻く環境が変わった以上、開発体制もそれにあわせて変えていくことも必要でしょう。数百人の開発体制をとる大型タイトルでも、ゲームエンジンは内製ではなく、たとえばアンリアルエンジンなどがライセンスされている……。これもまた偽らざる現実というわけです。

共有化のメリットAPI以上の部分に集中するべき


ちなみに、こうした違いが顕著に見られるのが、GDCでの講演内容です。海外のディベロッパーいわく、海外ではAPIより上の層の話が多いのに対して、日本の講演者ではAPIより下の層の話や、ゲームはかく作るべし、といった精神論が多く聞かれる、などの声も聞かれるとのことでした。
 
ただし、何でも欧米流がベストではなく、国産ゲームの強みを見失わないことも重要だと記野さんは指摘します。企画力やキャラクター開発力、ストーリーテリング、丁寧なゲーム作りなどです。今日でもなお、世界中でヒットしている格闘ゲームは、すべて日本製です。また5年前、あるフランスの開発者から「技術面では日本に負ける気がしないが、RPG要素(ゲーム体験を通した感情移入)は真似ができない。欧米のゲームでは泣けないが、日本のゲームでは泣ける」と言われ、誇らしく思ったそうです。

海外に向けてゲームを作るのではなく、海外に受け入れられるゲーム作りが重要……記野さんはそう語ります。これは海外向けに媚びるのではなく、自分たちの強みを生かして、海外から支持されるゲームを作っていくことの重要性。しょせん、私たちは日本人であり、その文化からは逃れられません。ここを勘違いしてしまうと、ハリウッド映画にしばしば登場する、ステレオタイプな日本人像やデフォルメされた日本文化と同じ間違いを、ゲームでも犯しかねないというわけです。

ビジネスと職人芸の融合が重要


最後に記野さんは、日本人の職人的な気質とビジネス的な視野を併せ持って、世界のゲーム産業を牽引して欲しいと語りました。そのために重要なことが「市場やニーズを知る」「芸術性とビジネスのバランスを取る」「チェンジを恐れず、ゲームエンジンやライブラリなどの導入も視野に入れる」「効率化すべき点と、本領を発揮する点を見きわめて、本当のクリエイティビティを発揮する」という4点です。その上で日本製タイトルのすばらしさを世界に発信していって欲しいと述べ、講演を締めくくりました。
《小野憲史》

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