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エレクトロニック・アーツ EA
「ビジネスモデルが破綻している」EAの元幹部が現経営陣を猛烈批判
2010年1月18日(月) 00:23 Text by 土本学(Manabu Tsuchimoto)
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投資会社Benchmark Capitalでテクノロジー部門を統括するMitch Lasky氏が自身のブログで古巣のエレクトロニック・アーツの現経営陣を猛烈批判して話題になっています。Mitch Lasky氏は前CEO、Larry Probst氏の時代にシニア・エグゼクティブとしてモバイルやオンライン事業を担当しました。

Mitch Lasky氏はまずEAのこれまでのビジネスモデルを4つに分類します。

(1)定期的に発売できて収益が保証されるスポーツタイトル(マッデンやFIFA) (2)不定期ながら大きなヒットが期待できるオリジナルタイトル (3)ライセンス物やpogo.comなどのカジュアルゲーム (4)パートナータイトル

いわば、EA SPORTSで基盤となる収益を確保し、EA GAMESで大きく稼ぎ、その他で収益を補足するというスタイルです。しかしLasky氏は2007年頃にはこの構造は崩壊していたと言います。それは各スポーツのライセンスフィーの高騰で、各タイトルもそれまで以上のセールスは追求できそうにありませんでした。この時期はテイク2との間でライセンスの争奪戦を繰り広げた時期にも重なります。EA SPORTSの収益が不安定になったことで次なる収益を見つける必要がありました。

Lasky氏が2007年にProbst氏に主張したのは、まず高騰する開発コストを削減し、年間の開発費用を2億ドル規模に縮小すること。当時『Spore』『Godfather』といったAAAクラス以外の中堅規模のタイトル(『シンプソンズ』『スーパーマン』)もバジェットが大幅に膨らんでいたそうです。削減したコストはR&DとM&Aに投資し、デジタルディストリビューションやgames-as-servece(saasのゲーム版)に注力するということです。Lasky氏は来るデジタルディストリビューション時代に向けて、巨人になるよりも、コンパクトなサイズに保ち、かつ大きな利益を上げる体制を模索していたようです。

しかしながらまさにイノベーションのジレンマというべきか、Lasky氏のプランは通ることはなく、John Riccitiello氏がCEOとして復帰することになります。Riccitiello氏のプランはLasky氏のようにドラスティックではなく、現行のパッケージビジネスで収益を再度確保できるようにしながら来るデジタルディストリビューション時代に備えるというものでした。ターゲットはEA SPORTSではなくEA GAMESです。

Riccitiello氏は自身が投資銀行時代に手がけたBiowareやPandemicを次々に買収。『Spore』『Dead Space』『Mirror's Edge』『Need for Speed: Undercover』といった大型タイトルを次々に開発・販売、今後も『Dante's Inferno』『Knights of the Old Republic』などが続きます。Lasky氏はPandemicは結局閉鎖することになったことに触れ、さらにEA SPORTSのスブスクリプションモデルへの移行も全く進んでいない批判、「破産した戦略としか言えない」と言います。

最後にLasky氏は投資家の立場から、「Riccitiello氏は11億ドル以上の企業価値を毀損した。企業価値は2003年から下がりっぱなしで、投資家はどんな期待を持てばいいのだろうか?」と結んでいます。

EAは年間のコストを1億ドル以上削減する一方、ソーシャルゲーム大手のplayfishを買収。新たな分野に注力する姿勢を見せています。今後、どのような挽回策が見られるのか、注目されます。

著者: 土本学 株式会社イード。GameBusiness.jp編集長。興味関心はゲームビジネス、ウェブメディア、リサーチなど。Twitterでもつぶやいてます。

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